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N side




場所を案内している途中で杖を今持っているのか聞かれて持っていなかったから慌てて取りに行った


口頭で場所を言ったけど、Aなら大丈夫だろう






机の上に置かれた杖を手に持って彼女が居るであろう所に向かえば


確かに、居た






まるで道の延長線を歩くかの如くにその池の水面を歩く



僕達人間の常識を軽々と超えているその後ろ姿は神秘的だ




『…こちらへ』


「!あっ、う、うん…」




僕が居ることに気付いたAは振り返って僕を呼んだ


一応淵には立ってみるけど…彼女の所に行くにはちょっと僕には難しい




すると、まるで僕の気持ちを汲み取ったみたいにAがスッと両手を差し出す




『お手を…』




彼女のそんな行動にどこか嬉しさを覚えつつも差し出された手に手を重ねれば、ゆっくりと引っ張られる


必然と動く足は陸上から水面に一歩、触れた





正直言って、不安で仕方ない


落ちたら落ちたでどうにかなるけど…けど、こういう状況はハラハラする





でも、意を決してその片足に体重を乗せてもう一歩の足も同様にする




「わぁ…!」




すると体は落ちる事なく水面に立っていて


自然と感嘆の声が上がった




いつも踏み締めている土や草の感覚とは違って柔らかく、何とも不思議な感覚


そして足の周りで起こる波紋を見て更に摩訶不思議な感覚に陥る





普段から魔法を使ってる癖に、まるでマグルになって初めて魔法を見たような気分だ


そして池の真ん中に辿り着けば片手が離れた




その行動で、手が繋がっていればここに立ってられるのだと理解する




『…杖、貸してもらえませんか?』


「分かった」




杖を渡せば、傾けたり先端や手持ち部分を見たりと観察をしてからそれを頬に当てて横に動かす




「っ…」




すると彼女の頬はツーと切れて、血が頬を伝って顎に滴り、落ちる



たった一滴





それが落ちたのを確認した彼女は血を拭うように切れて出来た傷口を指でなぞる


すると、傷や血は綺麗に消えていた




1つ1つの行動は実に綺麗だけど、彼女が傷を作るのは嫌だ




『…血は、何よりも記憶を持っています。特に我々の種族は。
…杖、ありがとうございました』


「…うん」




Aは、今度は自分の頭に指を当ててゆっくりとそれを引き出し、出てきた白く細い霧のようなものに彼女が息を吹きかけるとキラキラとそれや池が優しい光を放ち









辺りは一変








森林に変わった






8→←6



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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました!とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね! (2020年11月20日 22時) (レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです! (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月15日 18時

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