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先生の手というものは不思議なもので、
先程からぐるぐると回っていた変な違和感やら感情は、すーっと薄まる
そして、腰に巻き付いた腕はギュッときつく、離れる気配はなかった
私が立ってるものだから、座ったまま抱き着いてきた先生は私のお腹に顔を埋める
…先生、泣いてる
頭を優しくポンポンとすると、腕の力が更に籠る
先生が何回か小さく鼻をすすった後、こんなに距離が近いのに、引き寄せるようきギュッとしてくる
「…生きてよ、ッ……」
先生は顔を埋めたまま、ポツリと泣き叫ぶように呟いた
全身で感じる、先生の思い
参ったなぁ….
『…ハハッ』
何も考えていないのに、言葉が口から漏れる
『言ったでしょう？
私には、難しいんですよ…
…まぁ、空気が無くなるまでは呼吸します』
「っ…」
そこで漸く、先生が顔を上げた
涙で濡れて顔が真っ赤
その涙は、手を伸ばして拭けども、止まることを知らないようにポロポロと落ちる
「それっ、て……」
『…先生が死ぬまでなら、生きますよ。
もう、約束の変更は御免です』
そう言うと、先生は少しばかり苦しそうに顔を歪めた
その顔をさせたのは私だと言うことは重々承知している
こんな奴がこんなに綺麗な涙を流す人にこんなことをするのは愚行だ
…でもね、先生
.
生きてるだけで、褒めて欲しいんだ
………なんて、欲張りか
「号泣…」
「お前何言った…？」
「ぶっきー泣き止みなよ〜！」
話の芯が分かってないながらも、先生の涙を止めようと、みんなが先生に声を掛ける
もはやイジりに似たそれは、先生の涙を徐々に止め出す
すると、少しずつ先生の涙は引き始め、ちょっとずつ口角が上がり
体に巻き付いていた腕は、力が緩み
そして解けた
まるでそのタイミングを狙ったように、向こうから郡司さんがやって来て
涙痕以外は元通りの先生は、その姿を見て立ち上がる
そして、郡司さんの目の前に行って、手首を差し出す
「柊一颯。
器物損壊、その他諸々の現行犯で…逮捕する」
今までの少し賑やかな雰囲気は一瞬で消え
手錠を嵌められる瞬間を見たみんなは、さっきの先生みたいに涙を流す
「おいおい、どっちが正義か分かんねぇな…」
呆れたように言う郡司さんの顔は
凄く、穏やかで
先生は、嬉しそうだった
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おひな(プロフ) - 感動しました。ありがとうございました。 (1月9日 23時) (
レス) @page44 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 私こんな綺麗に泣いたことないかもってぐらいすーって涙ながれた (8月14日 22時) (レス) @page44 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
ケロッピ(プロフ) - ありがとうございました (8月6日 1時) (レス) id: fb652d6333 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 柊先生の生存ルートも書いてほしいです (2021年3月19日 16時) (レス) id: b4ba18a803 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - え、え？最終更新日が…？また更新されるのですか？期待しても良いのでしょうか？笑 (2021年1月18日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年5月14日 23時
