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卒業して、何ヶ月も経った
既に外は木の葉が赤や黄色や茶色で染まっていて
徐々に吹く風が冷たくなる
先生も私も、回復する事は無く
先生に関しては日に日に痩せて
「あ゛ッ……っ、」
『……』
痛みに呻く頻度も増した
私はそんな先生の体を摩る事しか出来ない
そうした痛みを堪えた後は、肩で息をして汗をかいて…
もう、息も絶え絶えというような感じだった
一方の私は、大分健康的な体に見えて来たかもしれない
お腹が空いていなくても、先生が食べろと言うから口に押し込んで食べる
そんなことを繰り返していれば、必然と適度な肉が付く
見た目は至って普通の、何処にでも居るような健常者
けど、神経科の医師…と言うか、この病院の医師が退院させてくれない
不眠症が改善されたわけでもなければ、心が正常になったわけでもない…って医師が言っていた
「っ、ハァ……悪いな、もう大丈夫…ありがと」
息を切らしながらベッドに凭れ掛かる先生に、数十分前に買って来た水を渡せば、受け取ってそれを飲んだ
その間に、この部屋に用意されていたタオルで汗を拭う
…先生の命が、毎日削られる
今までと比にならないくらい
とても速く、大きく削られていって
いつ、そのときが来てもおかしくない
削られた破片はキラキラと飛び散って
ふと目をやると、先生は笑っちゃうくらい綺麗で眩しい
…まぁ、余命宣告から大分時間が経ってるから、そうなるのは不思議なことではないんだけどね
覚悟は、していた
「…なぁ、A」
『はい、何ですか？』
「こんな事聞くの可笑しいんだろうけど…
お前、景山が死んだ時、どう思った？
卒業する前に、1回喋ってくれたけど、途中で話逸らしたから…」
…あぁ、そんな話もしたなぁ
あのときは本当に酷かった
言う必要の無いことばかり口にして…
何度、先生を困らせたことか
あれだけ依存していた筈の景山の声は、もうすっかり忘れてしまった
憶えているのは、顔と、性格と、したことと、言われたこと
薄情な奴だなぁ、私
『…景山は、赤が似合うって言いましたよね』
「あぁ、言ってたな」
『…あの高さで頭を打つと…まぁ、想像する通りなんですけど、
そのとき…屋上から覗いたとき、
完全に砕け散った命や、辺りに広がる光景を見て
あ、綺麗だな…って』
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おひな(プロフ) - 感動しました。ありがとうございました。 (1月9日 23時) (
レス) @page44 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 私こんな綺麗に泣いたことないかもってぐらいすーって涙ながれた (8月14日 22時) (レス) @page44 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
ケロッピ(プロフ) - ありがとうございました (8月6日 1時) (レス) id: fb652d6333 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 柊先生の生存ルートも書いてほしいです (2021年3月19日 16時) (レス) id: b4ba18a803 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - え、え？最終更新日が…？また更新されるのですか？期待しても良いのでしょうか？笑 (2021年1月18日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年5月14日 23時
