【3年A組】杭は出なきゃ打たれないはず 5【今から皆さんは人質です】

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慣れた様子で…と表現するのは少し変かもしれないけど、そんな感じで先生は割とすんなりとベッドに入った



真っ白な部屋で真っ白なシーツに包まれた先生は









何だか綺麗だった



似合うというか、馴染んでるというか…


でも普通ならそんなこと言われたら不快だろうから、口にはしない





「…こっちおいで」



『あ、…すみません』





突っ立ったまま固まってたらしく、先生に呼ばれて意識を戻した



そして先生は近くにある椅子をベッドの横に動かしてくれていて、そこをポンポンと軽く叩く





そこに行って座れば、ふわっと嬉しそうに微笑んだ






そうだ


先生ってこういう柔らかい笑い方をする人だった





数日間会ってなかったから、何となく曖昧で


夏休み明けに会ったときと同じ感覚がしてる






…何だろ、緊張してたのかな



肩の力が抜けた、気がする





「なんか、新鮮だな」



『何がですか？』



「Aがスケッチブックと美術の教科書以外を持って、俺の前に来るのが。

ほら、お前って勉強とか宿題とか持って来なかっただろ？」



『あぁ…まぁ、部活ですからね』



「俺だって一応教えられたんだよ？」





それは、意外だった


だとしても、部活に宿題とか持って行かないけど…





「まぁお前の事だから、そう言われても持って来なかったんだろうな」



『…ふふ』



「当たりか。

あと、やっぱりその笑い方、可愛いな」





そう言って先生は更に頬を緩める





…確か、前にもそんなことを言われたような気がする





「あ、何か書くんだったよな？」



『…まぁ、はい』



「…その様子だと、苦戦してるな」





見せてみろ。と言うように首を伸ばして、私が持っている紙を覗く



見やすいように少し角度を変えると目に入ったのか、少しだけ目を大きく開いた







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