・〜柊side〜 ページ14
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入院して何日も経った
検査も診察も終わって落ち着いた頃
「これで、終わりだ。
後はまぁ、最期まで入院生活を楽しんでろよ」
「…あんまり、喜べないなぁ」
俺の事情聴取も、今、終わった
一応外出許可を得てから、警察署に向かって、取調室で喋るといった形だった
多分だが、ルール的にその方が良いのだろう
記録やら録音やらをしなきゃならないから
「もうこんな事すんなよ」
「ハハッ、流石にしませんよ」
そんな時間は、もう無いだろうから
そんな意味を込めながらも返すと、郡司さんは軽く笑って、頭を掻いた
そして思い付いたように、パッと顔を上げた
「そうだ、お前も見てくか？」
「何がですか？」
「想い人の事情聴取」
揶揄い半分で言われたその言葉の意味は、容易に理解出来た
そして頭に浮かんだのは、病院に着いて別れて以来顔を一回も見てないAだった
分かった途端、条件反射というように、気が付いたら頷いていた
「今は宮城が…俺の部下が話聞いてるが、担当は俺なんだ。
まさか、教師と生徒の両方を担当するなんてな」
「なんか、お疲れ様です」
「誰かさんのお陰でな。
…と言いたいところだが、疲れる事なんて何一つ無くて困っちまうんだろうな」
「…と、言うと？」
「利口過ぎるんだよ、あいつは。
手がかからな過ぎる。
まだ事情聴取をきちんとやったわけじゃねぇけど、きっと直ぐに終わる」
何となく、想像出来た
けどそれと同時に、逆に時間が掛かりそうだとも思ってしまう
言葉を探して、言葉を選んで口に出すあいつとの会話はゆったりとした雰囲気が流れる
それはあいつ自身が常に相手の事を考えて、最善のものを出そうとしているから
でも、あの10日間で新たに知った
最善のものを出そうとする中で、その結論が回りに回って
時々、Aが全てを諦めるような結果に運ぶ
つまりは、悪い方向に流れる時があるという事だ
それがあるのが分かると、どうしてもそれを食い止めたくなって話が終わらないという事になる
早く終わるか、時間が掛かるかのどちらかだ
「俺的には、学生生活ってやつの中で、“子供らしさ” ってのを学んで欲しかったんだがな…」
Aの幼少期を知る郡司さんがそう言うんだ
きっと昔から、変わらないんだろう
そう思うと、少し胸が締め付けられるような苦しさがあった
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おひな(プロフ) - 感動しました。ありがとうございました。 (1月9日 23時) (
レス) @page44 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 私こんな綺麗に泣いたことないかもってぐらいすーって涙ながれた (8月14日 22時) (レス) @page44 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
ケロッピ(プロフ) - ありがとうございました (8月6日 1時) (レス) id: fb652d6333 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 柊先生の生存ルートも書いてほしいです (2021年3月19日 16時) (レス) id: b4ba18a803 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - え、え？最終更新日が…？また更新されるのですか？期待しても良いのでしょうか？笑 (2021年1月18日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年5月14日 23時
