5日目 ページ43
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夢を見た
寝たのか寝てないのか曖昧な感じで、それはあまりにも短かったから夢と言って良いのか分からないけど
それは現実とは違うものだから、夢としよう
…幻覚かもしれないけど
ほんの10分程度の夢だった
最初は辺り一面真っ暗で、上も下も右も左も分からない場所に立っていた
果たしてそれが正常に立っているのかすらも分からないほど真っ暗な場所
そんな場所に立たされていると理解した途端、場面は変わり見覚えのある場所に変わった
…お世辞にも、明るくて綺麗とは言えないような空間が広がる
そこに立つのは顔が真っ黒に塗り潰された二人の男女
1人は泣き叫び、1人は怒り狂う
そして私に浴びせるのは、暴言。罵倒。
その人達はずっと強く訴えかける
＿＿「何でお前が生きてるんだ」
知らないよ
＿＿「何でアンタなんかが存在するの」
分からないよ
＿＿「お前のせいで全て狂わされた」
それはまぁ、一理ある
＿＿「何でアンタなんかが生まれてきたの」
そんなの、私だって知りたい
っていうか2人って、
・
そんな声だったっけ＿＿＿＿
そう思った瞬間、次の場面に変わる
目の前には、私の上に跨る名前も知らない男性
奥の天井は少し汚れてて、でも煌びやか
薄気味悪く男性が笑って顔を近付けてくると
また変わる
今度は、外だった
地面が遠く見えるから、屋上かな
そこに佇む1人の高校生
見覚えのあるシルエット
つい最近思い出せた声
景山だった
でもその景山は泣いていて
苦しそうに顔を歪めていた
泣かないで
景山は、笑ってた方が似合うよ
そう思っても声には出せないみたいで、泣き止んでくれない
それでそのまま
彼女はフェンスの向こう側まで走り出した＿＿
・
そこで場面が切れて、意識が戻った
辺りを見渡せば準備室で
後ろで先生はまだ静かに寝ていた
どうやら絵を描いていたまま意識を飛ばしたらしく、手にはしっかりと筆が握られていて
あぁ、でも嫌な夢だったな
酷く息が切れていて咽せそうだ
汗もかいてるし…
時刻はまだ太陽も登らない時間
それでももう
人質生活は5日目に入っている時間だった
あー、気持ち悪い
今日はなんか、駄目な日だ
・
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月28日 0時
