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先生を座らせて汗を拭きながら、マイクが付いたペン型のものを口の近くに寄せる


…上から薬か何か持って来れば良かったな



痛みに悶絶する先生を見て後悔をした





「…ッ、一体…僕が何をしようとしているのか…ッ
Let's! think…ッ」





そう言って先生は、私が持っていたペン型のマイクのボタンを私の手の上から押して痛みに耐え始める


蹲りそうになってたので、体勢を倒さないようにさせて、空いたもう片方の手で腰を摩る



すると振り絞ったような強い力で引っ張られて、目の前から抱き締められた


困惑、している



どうしたものかと悩んでいると





「抱き、締めて…ッ」





小さく、掠れたような途切れ途切れの声でそう言われた


言われた通りに恐る恐るだけど先生の背中に腕を回して、摩る




…これ、上で他の人達も見てるんだよなぁ


茅野さんに至っては衝撃的な光景が二回連続するっていうね







そんな状態が暫く続けば大分痛みが引いたみたいで、

制服を掴んでいた手の力が抜けてきて、ゆっくりと離された



先生の腕から抜けて汗を拭いてあげてから立ち上がる





『銃、回収しますね。
もう少しだけ楽な体勢でいてください』



「ああ、すまない。

…誤発だけはするなよ」



『大丈夫ですよ』





外に出て置かれた何個もの銃をその辺にあった袋に入れて回収する


…流石は警察、武器の規模が違う



そんなことを思いながら回収していると、先生が話し掛けてきた





「…本当は、怖かっただろ」



『…えー、そんなことないですよ〜

それに、怖かったら志願するわけ…』



「ナイフを首に当てた時から…手、震えてたぞ」





それに冷たかった。

そういう先生の目は、きっと鋭くこっちに向いているんだろう



…そんなの気付かなかったんだよ


手が震えてるのも、冷たいのも

怖かったのかすら気付かなかった





『…手が冷たく感じたのは先生が熱かったからですよ』



「…そうかもな」





その言い方は多分、後で聞くってニュアンスが含まれている


納得いかないっていうのがひしひしと伝わってくる



武器の回収をし終えて先生の前に立って手を差し出すと、それを掴んで先生も立ち上がった





『そんなことより、クラスメイトに説明しなきゃですよ』



「確かに。これ見てるんだもんなぁ…」





そう言って先生はハシゴに足を掛けて登り始めた


さっきよりも顔色が良さそうで、

少し安心した






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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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