【3年A組】杭は出なきゃ打たれないはず 2【今から皆さんは人質です】 (ページ36)

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手首も何も拘束されていない状態でハッチの下に降りる

でもそれだと不自然だから先生が私の背後に立って、私は両腕を後ろに回し、あたかも拘束されているように見せる

そして首元には甲斐くんが持ってきていたナイフが添えられる

「警察の皆さーん、そこまでです」

扉の向こう側には予想通り、そういう部隊なのがいて、パソコンを持っていた

多分、先生の言う特殊な鍵を開けたんだろう

「倒れたという情報が出回っていたので、さぞかし驚かれたことでしょう。

でも、生徒に情報拡散させたのは、僕の指示です」

実際に倒れてたくせに何を言う

…先生が汚れ役になるのって

なんか、気持ち悪いなぁ

「爆弾の数も減ってきちゃったので、新しい武器が欲しくて。

だから……ッ、」

突然、先生の言葉が詰まり、私の方に体重を掛けてきた

また痛みが襲ったんだろう

倒れないように私も後ろに回した手で服を掴んでなんとか支える

「ッ、…全ての武器をここに置いて…ッ、撤退して下さい、ッ…」

首に掛かる息が荒い

ナイフを持っては尋常じゃないほど力が入っている

もちろん、私を固定するために回ったもう一つの腕も

距離が縮まり、ナイフが皮膚に当たりそうになったからか、扉の向こう側の人達が銃を向ける

それを見かねた先生はフラつきながらもリモコンを押し

＿ドォンッ！！

直ぐ近くの天井を爆発させた

…体が強張ったのは仕方ない

「ご安心下さい！隊員の皆さんは、無事です。

ただ…次は、本当に…ッ
真上にある爆弾をッ、爆破させます…ッ！

…どうしますかっ？」

もう先生もキツい筈だ

息も絶え絶えな状態で、よくここまで出来るなぁ

そのとき、ふと私の頭であるアイデアが浮かんだ

なかなか動かない目の前の隊員達を動かす且つ、先生が一人で汚れを被らないための方法…

先生に見つかったら、先生が困るから

この立場を利用して…

伝わると良いけど

『＿＿＿＿＿＿…』

「！、武器を捨てて、撤退！」

指示が出たのか、武器を置き出した

口パクで「爆発させる」って言ったけど、きっと伝わったな

画面の向こう側の五十嵐さんに

「ご協力に、感謝します…ッ

代わりと言っては何ですが、これからSNS・MIND VOICEに…ある情報をッ…流します、

それをご覧になれば、皆さんの考えが変わるかもしれませんッ」

もう先生、大丈夫だよ

座ってて

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