漆拾参頁─小柄ナ襲撃者 5─ ページ20
『...与謝野先生、それは』
私は怒り八割、戸惑い二割で与謝野先生に制止の声をかける。
しかし彼女には「時間稼ぎだよ」と小さく返された。
「...どういう意味だ?」
「そのままの意味さ。Aが喋った可能性だってあるだろう?」
彼女は私に怨みでもあるのか?と思わず疑ってしまうのは皆同じだと信じたい。
確かに太宰さんや中也さんより暴れ気味だったことは認める。
認めるけど...
「......」
中也さんが何も云わずに目をこちらに向けてくる。
特にやましいこともないので私は静かに首を横に振った。
それを見た彼は帽子を深く被り直し、ようやく口を開いた。
彼のことだ。
どうせろくでもないことを
「手前等は知らねぇだろうがな、Aは仲間を売るような奴じゃねぇンだよ」
『......わぉ』
予想外の彼の言葉に私は固まる。
驚きのあまりに開いた口が塞がらない、というのはこういう事なのだろうか。
そんな私をよそに彼は不機嫌そうに続けた。
「何故太宰が喋ったと思ったってか?そりゃあ其奴を信用してるからに決まってンだろーが」
目を瞑り、歯を食いしばる。
久しぶりの感情が一気に込み上げてくる。
「確かに彼奴は悪戯好きで仕事の邪魔をされンのは毎度のことだった。だがな」
“あんな奴でも俺の師だ”
吐き捨てるように放たれた言葉。
私の心を追い討ちで壊していくそれは、今はどんなものよりも響いていた。
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煉華☆(プロフ) - 書いたつもりだったのですが(;・∀・)中也さんはもう少し夢主と絡ませる予定です!コメントありがとうございました! (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 名無しさん» こんにちは(*^^*)やっぱり分かりにくかったですかね?何故かシリーズ化しないんですよ...。説明欄から行けるようにURLを貼っているのですが、また今度見えやすいようにしておきますm(_ _)m お、気づいてもらえましたか!自分では気づくか気づかないかくらいの色で (2017年2月13日 10時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは。part1が分かりづらくちょっと大変でしたが、最初から最後まで読ませてもらいました(^ー^)最新話の夢主の「…馬鹿」がもう可愛すぎ!これからも頑張ってください! (2017年2月11日 15時) (レス) id: 23590d66be (このIDを非表示/違反報告)
鈴燈輝葵(プロフ) - 煉華☆さん» 双黒大好きなので楽しみです♪ (2017年1月9日 2時) (レス) id: 2f068cebfc (このIDを非表示/違反報告)
ふぅり(プロフ) - あ、ほんとだ、すみません、!!!フォローさせていただきます!(`・ω・´)ゝ (2017年1月8日 15時) (レス) id: d25cb7c6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月7日 19時