【文豪ストレイドッグス】元.ポートマフィアの指導者 Part 4

陸拾漆頁─作戦会議 2─ ページ14

「太宰、説明を｣

「はあい｣




社長さんに説明を任された太宰さんが黒板の前に立つ。

一方、私達はその向かい側にある椅子に座る。

こうしていると学校の授業を受けているみたいだ。

実際に受けたことは無いけど。




「ギルドは資金力に。マフィアは兵の頭数に優れます。正面からかち合えば、探偵社と雖(いえど)も脳天が弾け飛びます。そこで｣

『人員を守勢(ディフェンス)と攻勢(オフェンス)に分割して、奇襲戦法で抗うわけですね』




これならまだ探偵社も戦っていける。

依然として一番狙われやすいという事は変わらないけど。




「その通り！物判りが早くて助かるよ。守勢の要は何と云っても、此処で与謝野先生を守る事。先生の治癒能力があれば死なない限り全快出来ますから｣

『それは心強いですね。...どうしたのですか？緊張で気分が悪くなってきましたか？』




何か重い雰囲気を感じて周りを見渡すと、誰が見ても判るほどに皆の顔色が悪かった。

賢治君だけはいつも通りの笑顔だったけど。




「い、いや、そういう訳では無いが...｣




国木田さんの返答に首を傾げる。

もしかして与謝野先生の異能の発動条件...？




『与謝野先生。失礼ですが異能の発動条件とかあったりします？』

｢勿論あるさ。妾の異能は瀕死の重傷しか治せなくてね。だけど太宰が云った通り死なない限りは全快出来るから安心しな｣




ひ、瀕死の重傷......


...あぁ、だからあの時彼女はあんなことを云っていたのか。

その時は判らなかったけどその言葉の意味が今なら納得できた。

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