4話 ページ5
「いつテストってわかったんだ?」
現在ポルシェに同乗中。
運転席のウォッカはそう尋ねてくる。
「いやだって、えーと、長髪のお兄さん、私に当てる気なかったですし。」
「……」
ジンさんおしゃべりしましょうよー
いやでも実際事実だと思うのだ。
漫画やアニメで見る分に、彼らの実際の腕前は分かりにくいが、
私が銃声を聞いてから駆けつけるまでに10秒ってところか。
サイレンサー付きの拳銃の発砲音が聞こえたくらいだから、
もっとかかってないかもしれない。
何か必要なものがあったのか、ウォッカの方は死体に近寄っていたけど、
ジンは多分動いてすらいない。
死体の体が衝撃で吹っ飛んだにしろせいぜい1、2メートル。
その距離は目測だから細かいことは言えないけど、
さっきの私との距離より遠い。
ジンの使う拳銃はベレッタM1934。
弾数は一回の装填量が7弾、
それにプラスしてもう一つ弾を残しておけるから、合計8弾。
さっきの攻防でジンが撃った弾数は5。
動く標的を一発で仕留められる腕の人間が
至近距離、しかも5発も使って
どこにもあてられないなんて手加減されていたとしか思えない。
「まあ色々。考えてみるとそういう結論に?
で、どうですか?私。
そこそこいい人材だと思いますよ。
天涯孤独で、今日身元引き受け人の家から出ましたし、
大学生だけどその引受人が教授だから何かと融通ききますし。
しかも引受人は法医学担当。何かと死体についても工面できる立場です。
英語、ロシア語は話せますし、
イタリア、フランスも流暢じゃあないですけど会話くらいならできますし。
拳銃はアメリカで習いましたし。
どうです?こんな優良物件他にないかもですよ!!」
「名前は」
「はい、伊吹 初です」
「ということです、ボス」
……いつの間に電話していたんだろう。
というか今、電話越しにボスと話してるんだな……
一体、どんな人なんだろうか。
「伊吹。俺はジン…組織でのコードネームだ。
こっちはウォッカ。お前は基本遊撃が仕事だ。
ありとあらゆるところに乱入して、利益を取ってこい。
……末端にコードネームはない。
欲しけりゃあがくんだな。」
どうやら加入できるようである。
……これから人殺しとか、ちょっと萎えますけーど。
一般人を殺すなんてなかなかないだろうし、
基本こういうところで消される人って
なんかどこかで恨まれている人よね。
……覚悟きめれば、なんとかわりきれるかしら。
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作成日時:2019年2月17日 22時