零頁─或ル少女 2─ ページ4
『......えっ』
────君は人を殺す度胸があるかね?
男性が発した言葉の意味を理解することは容易かった。
その衝撃のあまり寝ぼけていた頭が叩き起こされる。
「流石に唐突すぎだったかね?私がこんなことを云うのは、先程ある連絡があったからだ。それによるとどうやら君は殺戮の異能者らしい」
『そ、そんなわけ無いです!そもそも私はその異能力というものすら知りません!』
殺戮と聞いた私は必死に弁明をする。
とんだ云いがかりで自身が無実の罪で囚われているのだから。
しかしジャラジャラと鎖の擦れる音を発するそれは自らの役目を確りと果たし、思うように動けない私を男性は憐れむような目で見つめる。
「...本当に忘れているようだね」
『きっとそれは誤った報告で』
「残念ながらそれは有り得ない」
被せて発せられた否定。
それを更に否定するために口を開こうとして止まる。
実際のところ私は記憶が曖昧だった。
自分の名前は覚えていても、昨日何をしていたのか、楽しい思い出も毎日を過ごした家すら覚えていない。
その事実に悔しさが込み上げてきて結局何も云えずにただ俯く。
「君はその幼い見た目に反して言葉の意味をよく理解している。きっと両親が知的な人物だったのだろうね」
『そう、なのですかね。両親の顔も憶えていなくて......』
正直に云うと自分の歳すら判らない。
こうして会話は出来ているのに、自分に関係するほぼ全てのことが思い出せなかった。
「そうかい。そういう事なら先程の質問とは関係無く君を保護しよう。幼子をほっとけないたちでね」
そう微笑む男性に私は安堵と安心感に包まれた。
しかし今思えばこの時既に彼の計画が始まっていたのだろう。
もしそうだとしたら、怖いを通り越して尊敬をしてしまう。
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煉華☆(プロフ) - ラズベリーさん» 返信遅れてしまいすみませんでした!先ほど承認を出させていただきました。双黒良いですよね、私も最推しです(*^^*) 最終更新からかなり日が空いてしまいましたが、今日から再開予定ですのでまた読んでいただけると幸いです。コメントありがとうございました! (2019年9月27日 8時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 燐華さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。わざわざ申請してもらったのにこう言うのはなんなのですが、文章をしっかりと読んだ上での申請をお願いしております。フレンド数の上限の関係でこうなってしまって本当にすみません!拒否はしてませんので良ければお待ちしております (2019年9月27日 7時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー(プロフ) - フレンド申請させていただきました。〈ラズベリー〉です!推しは旧双黒の2人です!このお話凄く面白いのでこれからも更新頑張って下さい! (2019年9月18日 16時) (レス) id: 56fb91a534 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - フレンド申請させていただきました。ユーザー名は彼岸花です。 (2019年9月18日 9時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - サナさん» いただければ幸いです。 (2019年7月5日 15時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月19日 15時