弐拾壱頁─資料報告 2─ ページ27
No Side
『以上で報告を終わります』
凛とした声、理想的な形で背に揃えられた両腕。
まとめあげた報告書の内容を一字一句違えずに述べ終えたAは再度佇まいを整え直す。
窓から見える空には既に暗闇が広がっていた。
真っ直ぐ向けられた視線の先には、首領である森鴎外が一級品の椅子に腰をかけている。
彼はAから提出された報告書を片手に難しい顔をしていた。
「成程、これが君の見解か。因みに今回作成に費やした時間は?」
『二時間ほどです。中々簡潔にまとめられず、報告が遅れてしまい申し訳ありません』
「いや、そのことに関しては特に気にしていない。ただ......いつもよりも文字が小さすぎやしないかね?」
右手に紙、左手に虫眼鏡。
ビッシリという言葉では足りないほどの細かな文字。
情報の塊である新聞にも負けない情報量がそこには詰め込まれていた。
『三枚でまとめようとしたらそうなりました』
「次からはそれ以上使っても善いから、文字の大きさは肉眼でも読める大きさにしなさい。これは首領としての命令だ」
Aははいと返事をしたものの、腑に落ちないのか靴先で数回床を小突いていた。
それに森は気づいてはいたが、彼女からの了解の意を受け止めその話はそこで終わった。
「君が彼らのことを高く評価しているということは判った。だからこそ聞かせてほしい。君個人としてはどう思ったかね?指導者ではなく、一人の人間としてだ」
互いの視線が強く衝突する。
思わず目を逸らしてしまいそうになる程の妙な威圧感。
だがAは変わらぬ目でそこから逸らさない。
その代わりに口ごもり、中々言葉を外へと出そうとしなかった。
圧に押し潰されそうになっているわけではない。
ただ少女は久しぶりに訪れたこの感情を認めてしまって善いのかどうか迷っていたのだった。
『......一緒に居たい、と思いました』
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煉華☆(プロフ) - ラズベリーさん» 返信遅れてしまいすみませんでした!先ほど承認を出させていただきました。双黒良いですよね、私も最推しです(*^^*) 最終更新からかなり日が空いてしまいましたが、今日から再開予定ですのでまた読んでいただけると幸いです。コメントありがとうございました! (2019年9月27日 8時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 燐華さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。わざわざ申請してもらったのにこう言うのはなんなのですが、文章をしっかりと読んだ上での申請をお願いしております。フレンド数の上限の関係でこうなってしまって本当にすみません!拒否はしてませんので良ければお待ちしております (2019年9月27日 7時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー(プロフ) - フレンド申請させていただきました。〈ラズベリー〉です!推しは旧双黒の2人です!このお話凄く面白いのでこれからも更新頑張って下さい! (2019年9月18日 16時) (レス) id: 56fb91a534 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - フレンド申請させていただきました。ユーザー名は彼岸花です。 (2019年9月18日 9時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - サナさん» いただければ幸いです。 (2019年7月5日 15時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月19日 15時