弐拾頁─資料報告─ ページ26
マウスを動かし、
画面が完全に光を失うのを確認してからパタンと折りたたみ、そのまま机の端へと片付けた。
その代わりに中央に来るのは先程パソコンで入力して印刷した数枚の紙。
それはあの二人について書かれた報告書だ。
紙の無駄遣いを極力したくない為、多少見やすさよりも文字を詰め込み枚数の少なさを重視している。
読み手への配慮にかけると誰かに云われるかもしれないが、そんなことを云う者は読解力が乏しいと思っているので私は気にしない。
そもそも今からこれを渡しに行く相手は仮にも組織の首領だ。
そのような心配事をする必要はない...はずだ。
私は執務室から出て、無駄に長く入り込んだ廊下を歩いて
上を向く矢印を押して少し待っていると耳馴染みの良い鈴の音が鳴った。
『......あ』
「わっ、Aだ!」
昇降機の扉が開き、乗り込もうと動き始めていた足がぎこちなく床につく。
中から五月蝿く飛び出してきたのは白髪翠目の少女。
任務のパートナーである川端鈴奈だった。
いつも明るく元気で任務以外でも一緒に居ることが多い。
...正確に云うと、向こうから一方的に近づいてくるのだが。
積極的に話しかけてくれるのは別に迷惑じゃない。
しかしそう思う時も勿論ある。
正に今がその時だった。
「えっ、ちょっ、それって折れてない?折れてるよね!?」
『...まぁ、折れてるけど』
「それ誰!まだこの世に存在してる!?」
顔を背ければ、ボールを見た犬のように追いかけてくる。
想像通りの反応を見せる鈴奈に私は隠すことなく溜め息をついた。
彼女は私に対して過保護すぎる。
こればかりは何故か何度云っても聞き入れてくれない。
なので今回も諦めて正直に話す。
『...今日顔を合わせたついでに手合わせもした新人。首領に指導係を任せられたから、軽くレベルを測る為に闘ったら折れた』
「判った!今すぐ息の根止めてくるっ!」
相手の名前も知らずに走り出そうとする鈴奈の手首を掴み捻って制止させる。
微かに痛そうな声をもらしているが、それには気づかない振りをしてそのまま引っ張り戻す。
『今の話を聞いて本当に判ってる人はそんなこと云わないから』
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煉華☆(プロフ) - ラズベリーさん» 返信遅れてしまいすみませんでした!先ほど承認を出させていただきました。双黒良いですよね、私も最推しです(*^^*) 最終更新からかなり日が空いてしまいましたが、今日から再開予定ですのでまた読んでいただけると幸いです。コメントありがとうございました! (2019年9月27日 8時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 燐華さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。わざわざ申請してもらったのにこう言うのはなんなのですが、文章をしっかりと読んだ上での申請をお願いしております。フレンド数の上限の関係でこうなってしまって本当にすみません!拒否はしてませんので良ければお待ちしております (2019年9月27日 7時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー(プロフ) - フレンド申請させていただきました。〈ラズベリー〉です!推しは旧双黒の2人です!このお話凄く面白いのでこれからも更新頑張って下さい! (2019年9月18日 16時) (レス) id: 56fb91a534 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - フレンド申請させていただきました。ユーザー名は彼岸花です。 (2019年9月18日 9時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - サナさん» いただければ幸いです。 (2019年7月5日 15時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月19日 15時