拾壱頁─黒ニ交ワレバ 4─ ページ16
帽子を被った少年────中也が瞬時に顔を此方に向けた。
その表情には驚きの色が露わになっており、私は思わず小さく苦笑する。
見ると、包帯を巻いた少年────太宰も驚いた表情を浮かべていた。
『私が首領に仰せつかったのは、主に君達の戦闘の指導。どのみちレベルを見とかなきゃならない』
「俺は女相手だからって容赦はしねぇぞ?」
『勿論、手加減はいらない。今から暴れてもいい処に移動するけど、そこが壊れない限りならいくら異能を使っても大丈夫だから』
「......マジで云ってンのか、手前」
地底の奥底から響くような声に、元々細められていた目つきが更に鋭くなる。
彼の云いたい事はよく判る。
それほどまでに彼の異能は強力なのだ。
「戦闘向きの異能じゃない僕が云うのも何だけど、止めといた方が良いと思うよ。中也相手に怪我したら骨折どころの騒ぎじゃないよ?」
『それついては充分に理解してる。事前に首領から君達の異能について大まかだけど教えてもらったからね』
頭に浮かぶのは三日ほど前のこと。
私はその時のことを思い出し、それぞれの顔を見る。
『包帯の君の異能はあらゆる異能を触れただけで無効化するというもの。そして、帽子の君の異能は触れたもののベクトルを操る。正直に云うと私が勝つのは難しいと思う』
太宰は非戦闘員だと決めつけるにしても、もう一人の異能があまりにも強大すぎる。
二人の間に友好的な様子はお世辞にも感じられないが、互いに信じ合える仲にさえなれば敵無しだろうとさえ思う。
非常に厄介で面倒な相手だ。
『だから、私は私のやる気を引き出すために君達に勝利した時の要求を提示させてもらうことにするよ』
「要求...?」
ゲーム機から顔を上げ、首を傾げる太宰。
私は人差し指を立てて順に説明をしていった。
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煉華☆(プロフ) - ラズベリーさん» 返信遅れてしまいすみませんでした!先ほど承認を出させていただきました。双黒良いですよね、私も最推しです(*^^*) 最終更新からかなり日が空いてしまいましたが、今日から再開予定ですのでまた読んでいただけると幸いです。コメントありがとうございました! (2019年9月27日 8時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 燐華さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。わざわざ申請してもらったのにこう言うのはなんなのですが、文章をしっかりと読んだ上での申請をお願いしております。フレンド数の上限の関係でこうなってしまって本当にすみません!拒否はしてませんので良ければお待ちしております (2019年9月27日 7時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラズベリー(プロフ) - フレンド申請させていただきました。〈ラズベリー〉です!推しは旧双黒の2人です!このお話凄く面白いのでこれからも更新頑張って下さい! (2019年9月18日 16時) (レス) id: 56fb91a534 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - フレンド申請させていただきました。ユーザー名は彼岸花です。 (2019年9月18日 9時) (レス) id: 7838562921 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - サナさん» いただければ幸いです。 (2019年7月5日 15時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2016年12月19日 15時