【文豪ストレイドッグス】ポートマフィアの指導者

拾頁─黒ニ交ワレバ 3─ ページ15

『色々聞きたいことがあるだろうけど、先ずは自己紹介からしようか。私の名前は有島A。歳は十三』

｢有島って...真逆、あの植物使いのか！？｣

｢何？中也、知ってるの？｣




予想以上の反応を見せる帽子の少年に包帯の少年が聞く。

組織内でも知っている者は上層部の人間だけのはずなのだが...新人の彼が知っていると云うことは、何処か有名な組織からの移転？

それとも首領が説明のために話した？

...いや、二人は同時期に入ったそうだからそれは無いか。


一人そんな思考に浸っていると、何処か楽しそうな声が聞こえてきた。




｢へぇ、それは中々面白そうだね。今まで思い付かなかった素敵な自 殺法に出会えそうだ｣

『じ、自 殺......？』




とても少年から発せられる言葉とは思えないそれに私は思わず復唱する。

彼の顔にはとても良い笑顔が浮かんでおり、それがなお不思議に思えてならなかった。




｢僕の名前は太宰治。齢は十五。お勧めの自 殺法があれば教えてほしいんだけど、何か善さそうなの知らないかい？｣

『...別に教えてもいいけど、私は首領に君の自 殺を手伝ってほしいとは頼まれていない。変なもの食べようとしてたら直ぐに解毒剤を飲ませるから』

｢うげぇ...それは流石に酷すぎるよ......｣




......何なんだ、この少年は。

もしかして彼が包帯だらけなのってそれが理由？


私は頭を軽く横に振り、それから自己紹介をする気の無さそうな帽子の少年に声をかける。




『君の名前は？』

｢...中原中也。歳は其奴(ソイツ)と同じ十五だ｣




ぶっきらぼうながらも簡潔に綴っていく少年。

顔はこちらを向いていなかったが素直に従ってくれたことに私は内心驚く。

と云うのも、彼の第一印象から他人に指図されるのを嫌うタイプだと思っていたから。




『突っかかって来ないんだ。意外』

｢この世に異能がある限り、人は見た目で判断するもんじゃねェからな。手前が本当にあの植物使いなら尚更だ｣

『成程。それじゃあ......』




“戦ってみる?”

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