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209話 ページ28

次の日、洗濯物を干していたアオイちゃんを手伝ってから善逸くんの病室へ向かった。
アオイちゃんとも話すの久しぶり……彼女、昨日は廊下で会った瞬間目を潤ませて笑ったんだよね。
可愛いすぎて思わず抱きしめてしまったよ。

善逸くんとは昨日と同じようにおしゃべりして…
彼が薬を飲むのを手伝った。
痛み止めだと言っているのに、もう薬と言うだけで嫌なイメージを持ってしまうらしい。
……と、そんなふうに午前中を過ごしていたら…

「Aさん!」
『あれ、なほちゃん。どうかしたの?』
人手が足りないのかな?
「甘露寺様がいらっしゃってます!」
『え、甘露寺さんが…?』
まだ昼だぞ。
時間が早まったのか…?

急いで外へ出てみれば、私はそこで今日は雲が厚い事に気がつく
暗い曇り空で太陽が覗いていない…これなら鬼が活動してもおかしくないという事だ。

「Aちゃん!ごめんなさいね、時刻が早まってしまって…」
『いえ!この天気なら鬼も現れますし…あっ、すぐ準備して来ます!』
バタバタと数少ない荷物を持つと、善逸くんの病室へ猛ダッシュ。

『善逸くん!任務の時間早まっちゃったみたい…だから行くね』
「えぇっAちゃんが居なくなったら俺はどうしたらいいのぉぉお!!」
任務だから仕方無いのは分かるけど行かないでよォ…とポロポロ涙をこぼす。
……くっ可愛い!!
何でこんなに可愛いかなこの子、そんなお目目パチパチさせちゃって…
きっといつもと違って一人だから、凄く不安になるんだろうな。
いやでも任務だから私は行かなければならない。

私が困って眉を下げれば、ハッとする善逸くん。
そして一瞬顔を伏せたかと思えば…
「…気をつけてね。」
急に踏ん切りが着いたな。
『うん!』
「でも、…怪我はしないでね」
もともと下がり気味の眉を更に下げて、心配そうに言う。
……怪我?
私は鬼だから怪我なんてしないよ、治ってしまうし。
「腕ちょん斬られたりしちゃ駄目だよ」
回復させなければならないような攻撃は受けるな、という事か…?

『…うん?分かった』
何にせよ、彼は心配してくれてるって事だよな。
私などをそんな目で見てくれて。
それだけで何か…心が温かくなるというか、嬉しい。
「行ってらっしゃい」
『行ってきます!』

よし、元気貰えたし美味しい物買ってこよう。
大福とか…いや餡蜜も良いな、高価だけどキャラメルはどうかな。
街はホント選り取りみどりだよ
そんな事を考えて、甘露寺さんの元へ急いだ。

.

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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜! (5月2日 19時) (レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです! (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い!こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます!いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです!頑張りますううううううううう!!! (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ!!! (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年1月1日 21時

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