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202話 ページ21

善逸くんが妹の首に刀を掛けた。
行け!そのまま振り抜け…!

私も助太刀に入ろうと足を向ければ、視界の端で何かがムクリと起き上がる。
思わずチラリと視線を向けると…
『伊之助くん!?』
私は驚いて足を止めた。
私の少し向こうで起き上がったのは伊之助くん…
「…あ"?」
『だ、大丈夫!?』

私は急いで駆け寄ると、おぼつかない足取りの彼を支えた。
出血多量だろうかフラフラしている。
私の知らぬ間に何があったんだ…?
妹の鬼との戦いで……いや、これは妹の攻撃じゃないぞ。
伊之助くんの心臓近くからの出血
背後から一突きにされていて……これは妹の帯の攻撃では成しえない。
もっと先の尖った…そう、まさに鎌みたいな。
『…っ』
兄の攻撃だ。きっと私が瓦礫に埋もれてから…

出血の多さ、場所的にかなりヤバい。
というか兄の鎌ならば毒の攻撃でもあると言うことじゃないか。
伊之助くんも宇隨さんと同じように毒の巡りを遅くさせているのか…

言葉が出ずにいると、荒い息の彼は支える私の腕をガバッと掴んだ。
「…おい、俺を紋逸の所まで投げろ」
…確かに妹の首は帯みたいに柔らかい。
善逸くん一人で切れるかどうか…
伊之助くんも加わって、二人で左右に刀を掛けた方がいいだろう…

「A!!早くしろ!」
いつもは間違えるのに、こんな時ばかりちゃんと呼びやがって…
『分かった』
私は彼の体を離すと、少し離れた所に飛ぶ
そして両腕を彼に向けて構えた。
「ウ"ォォォォオオオッッ!!」
勢いよく駆けてくる彼が私の目の前で跳躍。
彼の片足が私の両手に乗り…その瞬間、私は腕を思い切り振り上げた。

善逸くん達の方に飛んでいく彼。
振り返れば、すぐに刀を構えて妹の帯を刻みに行く彼が見えた。
私も彼らの方へ走る。
「険しい山で育っだ俺に"は毒も"効かね"え"!!」
伊之助くんの刀も妹の首へ掛かる。

善逸くんと伊之助くんの必死の叫び、
そして遂に……

妹の首が飛んだ。
と、同時に少し向こうでも何かが高々と上がる
それは何と兄の首。
『!!やった!』
やった!遂に切れたんだ!二人同時に!!
二つの首は吸い込まれるように同じ場所へと転がっていく。

『善逸くん!伊之助くん!』
その場に膝をつく彼らに駆け寄った。
鬼は倒せた、だがまだ喜びきれないんだよな。
いやもう「やった!」とか叫んじゃったけどさ、
伊之助くんは毒を食らっている
善逸くんも、炭治郎くんもきっと重体
それに宇隨さんだって……
鴉は送ったのかな、早く胡蝶さんに…
.

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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜! (2023年5月2日 19時) (レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです! (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い!こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます!いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです!頑張りますううううううううう!!! (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ!!! (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年1月1日 21時

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