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201話 ページ20

善逸くん、炭治郎くん、伊之助くん、そして宇隨さん…
皆の顔が頭に浮かんだ。
…あぁ、そうだよ。何してんだよ私、
『っ』
こんな所に居る場合じゃないよ、皆が今命を掛けているのに…私は何してるんだ

腕に力を入れる。
瓦礫に押し潰され身動きが取れない状況…
だから何だと言うんだ。
私は鬼だぞ、体がいくらぶっ壊れようと死なないんだから。
ボーッとしていた頭が冴え、ダルかった体に一気に力が流れた気がした。

『…ぐっ』
ミシミシ音を立てながらゆっくり腕を動かす。
上半身を起こして膝をつく
筋肉の筋だろうか、何かが切れる音がした。
瓦礫が崩れ始めて少しずつ淡い光が入ってくる。
潰されて悲惨な状況の手足が視界に映った。
まあ治るしどうでもいいわ
そして…

『…っはぁ、』
外の空気を大きく吸う。
ボサボサの髪を後ろへ流して、周りを確認すれば先程と状況は変わっていない。
倒壊した屋敷と……そして倒れている宇隨さ…
『…え?』
え、ちょっと待って。
目を凝らしてもう一度見る
月光で薄暗いが、見間違いじゃない。
『っっ!!』
体の奥底からブワァと、何と言うか強くて暖かい思いが沸き立ってきた。
…宇隨さんは、宇隨さんはたぶん生きてる!!

彼が倒れていたところ、そこに彼は居なかった。
大きな血溜まりと切り落とされた片腕は落ちている。
…けれど、彼は、宇隨さん本人の姿はない!
兄がもし…悪趣味に死体の彼を弄ったとしても…
あんなに綺麗に彼そのものを消せるだろうか?
それに兄だって時間が無かったはず。
私との戦いで時間も食っただろうし、初めより余裕じゃ無かったはずだ。
そしたらまずは妹のフォローをしに行き…全て終わってから宇隨さんの元へ戻ってくるんじゃないか?

分からない、まだ確証は無い。
無駄な期待をしない方が良いのかもしれない。
…けど!!
『っ』
私は急いで音の聞こえる方に飛んだ。
きっと、もしかしたら!
今回の任務、誰も死なずに済むかもしれない。
ともかく今は他三人の状態を知らないと!



屋敷の屋根を伝って走る。
進めば向こうでユラユラ帯が揺れているのが見える。
少し離れた所では爆発が起きていた
あの爆発……!
もう期待が確信に変わった。

近づくにつれて妹の方の状況が見えてきた。
『!』
善逸くん!!
何と、そこでは善逸くんが今進行形で妹の首を斬ろうとしている瞬間。
私が気絶している間…もうそこまで追い詰めてくれていたのか!
妹の首は帯と同じで柔らかい。
行け…!そのまま振り抜け!

.

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癒し系猫(プロフ) - 宇髄の髄は隨じゃありませんよ〜! (2023年5月2日 19時) (レス) @page20 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» 作者の妄想やら想像詰め込みまくりですよ笑 そう言って頂けて嬉しいです! (2020年3月25日 21時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 面白い!こういう話大好き (2020年2月20日 4時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - 呉羽さん» ありがとうございます!いつも応援して下さってますよね、本当に嬉しい限りです!頑張りますううううううううう!!! (2020年2月4日 7時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - おもしろいです。完結するまで毎日見るねええええええええええええええええええええ!!! (2020年2月2日 9時) (レス) id: 14d7fd66da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まどろみ | 作成日時:2020年1月1日 21時

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