今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

101話 ページ9

私は固まった体を叩く。奮い立たせる。
こんな事している場合ではない。
鬼の私が、死なない私がビビってどうするの
煉獄さんは柱だ。
柱が物凄く強いのは知っている。
だけど、少し前に現柱は未だ上弦と戦ったことがないと聞いたんだ。
私なんかが不安だ、とか言ったら失礼に値するかもしれない。
だけど、それでも怖い。
死なない私が少しでも助けになれるなら加勢したい

鬼と煉獄さんが何か話してる。
戦いが始まれば割り込むのは難しい。
ある程度のレベルの鬼になら奇襲になるけど、十二鬼月(恐らく)の鬼と柱との戦いは凄まじいだろう。

よし、と足に力を入れると、煉獄さんの所へと飛んだ。
「小鳥遊少女！」
「私も戦わせてください、邪魔だったら言ってもらって構わないので」
並んでわかった。
鬼の目には、上弦の参と書かれていた。
…上弦……しかも参！
鬼は私を見ると不愉快そうに眉を寄せる。

「邪魔な奴が増えた。しかも鬼だろう、何を考えてるんだお前。」
言われる事は毎度同じ。
揃いも揃って私の頭の心配をしてくれる
「君は今しがた、彼が話の邪魔になると言ったな。だが君と俺が何の話をする？初対面だが俺はすでに君のことが嫌いだ」
煉獄さんがハキハキと嫌い発言をする。
しかし鬼は気にせずに笑みを浮かべた。
「俺も弱い人間が大嫌いだ。弱者を見ると虫唾が走る。」

だからさっき、手負いの炭治郎くんを狙ったというのか。
「俺と君とでは物事の価値基準が違うようだ」
「そうか、では素晴らしい提案をしよう。お前も鬼にならないか？」
「ならない」
即答する煉獄さん。
当たり前だ。
お前こそ何を考えてるんだよ鬼。
鬼はにならないか、なんて恐ろしいことを言うな。
…鬼は煉獄さんが、柱だと見て取れると言う。
どうやら"闘気"とやらが鬼には見えるらしくその練り上げられた量が凄いらしい。



「俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ」
「俺は猗窩座。杏寿郎、なぜお前が"至高の領域"に踏み入れないのか教えてやろう」
さっそく名前で読んだ鬼、もとい猗窩座は煉獄さんに指を指す。
至高の領域、とは何の事だろう。
「人間だからだ。老いるからだ、死ぬからだ」
鬼になろう、そうすれば百年でも二百年でも鍛錬し続けられる、強くなれる…
そう嬉しそうに言う猗窩座。
私はフツフツと怒りが湧いてくるのを感じた。
人間の老いること、死ぬことが要らないと言うのか。
それこそが人間の美しさであり、私の望んでいた形なのに。
口に出そうと思えば、煉獄さんが全て代弁してくれた

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