今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

137話 ページ46

「うん…そうだよね、ごめん。Aちゃんは悪くないんだよ、俺が…うん。ごめん。」
善逸くんからも同じようなたどたどしい返事が帰ってくる。
「何だお前ら気持ち悪いな」
私達の様子を見た伊之助くんは言う
いや辛辣、もう少しオブラートに包めないのか。

…暫くして、やっといつもの様子に戻った善逸くん。
普通に騒がしいタンポポに戻っていたので私も安心した。
ああいう空気は何と言うか心臓に悪い…
炭治郎くんはなぜか善逸くんの事を優しい慈悲の目で眺めていた。
善逸くんは「そんな目で見るなよ！！」と怒っていたけど、どういう感情の視線だったんだろう



その後彼ら三人は修行に戻ってしまった。
私も着いていこうとしたけど、今は蝶屋敷の前にある山で走り込みをしているらしく…
私は柱が居ないと屋敷から出られないので仕方なくお留守番。
もうこの前みたいに勝手な事はしちゃ駄目だしね。
『…うーん、どうしようかな』
私も修行しようかなぁと考えた後、最近アオイちゃんやカナヲちゃんと話してない事に気がついた。
私とした事が、あんな可愛い子達と最近会話してないなんて…！
行こう今すぐ癒しに会いに行こう。

庭に出てみたけど珍しくそこには誰もいなかった。
アオイちゃんが洗濯物でも干してると思ったのにな。
じゃあ台所かな、
またもや屋敷の中へと入る。

ここに来て初めの頃は散々迷った。
その度に善逸くん達三人に助けられたけど…
彼らは凄いな。聴覚、嗅覚…あとは何だろう、野生で培ったカン？触覚だろうか
けどまあ、それはさて置いて今は私も迷わなくなった。
方向音痴とはいえさすがに道は覚えられた。
ほら、今だってすんなり台所方向に歩けている

1人得意気に歩いていたら前から見知らぬ隊士が二人歩いて来た。
ああそっか、この人達も怪我で…
でもこうやって見るとやっぱり女性の隊士は少ない。
今の二人も男の人だったし、ここでお世話になってから何人かの怪我人とすれ違ったけど…圧倒的に男性が多い。
女性ではやっぱり力が弱いからかな、胡蝶さんはそれを補うため毒を使う凄い人だけど…
カナヲちゃんは普通に斬るもんな、鬼の首。

凄いなぁと考えていると歩いていく隊士達の会話が耳に入った。
「なあ神崎アオイって知ってる？」「誰それ」
私は思わず足を止めた。
…アオイちゃんの話？
「ここで働いてる鬼殺隊の女だよ、あのチビでうるさい…」
「あー！あの偉そうな女か。俺達の治療しかできないくせに隊服着てるやつだろ？」
『……』



.

138話→←136話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す