134話 ページ43
その場その場で諦めて欲しくない。
時透さん自身も後悔して欲しくない。
上手く言えないけど伝わって貰えただろうか。
不安になりながら彼の小さな背中を見る。
「……ねぇ、アンタ名前なんだっけ」
突如時透さんが言った。
俯いていた顔が上がり、空へ顔を向けてたずねてくる。
『小鳥遊 A、です』
若干声のトーンが上がってしまった。
だって彼から私自身への問いはこれで2つ目だと思う。
さっきは強いのかと聞かれたけど、今度は名前だ。
名前こそどうせ忘れる、と考えてしまいそうだが…私の事を覚えようとしてくれてるんだろうか。
さっきの私の言葉が少しでも伝わってくれたのなら嬉しい。
「…小鳥遊 A……。ねぇA、僕ねふろふき大根が好きなんだ」
彼は一度小さく名前を繰り返した。
忘れないように、というようなその動作に嬉しくなる。
完全なる自惚れなら恥ずかしいけどねコレ
…そして続けて言った好きな食べ物。
彼はパッと振り返る。
そこにはさっきまでの絶対零度の視線はない。
初めて見た…フワッとした可愛らしい笑顔だった。
細められた目と上げられた口角。
「今度着いてきてくれない？Aが人に戻れた時一緒に食べれるように…先に良い店を紹介するよ」
『！』
…私は驚いて彼を見る。
好きな物を教えてくれるだけでなく、共有しようとしてくれた。
しかも私が人に戻れたら…って。
『…私の願い…知ってたんですか？』
禰豆子ちゃんの印象が皆無なら、私の事も初対面のように感じていたと思ったのに。
それなのに彼は今私の願いを覚えていた。
人間に戻りたい、その事を彼は口にした
「今何となく思い出したんだ。Aの事はほとんど初対面のように感じた…けど、その願いだけは覚えていたよ。きっとAのその強い思いがその時の僕に凄い響いたんだ」
だからきっと記憶に残っていた。
そう言ってから、「じゃあ行ってくれる？」と再度聞かれる。
私も笑顔を浮かべると答えた。
『もちろんです！』
時透さんめっちゃ笑ってくれる。
私の言葉一応届いてくれたみたいだ。
…蝶屋敷までの道は、彼がいつになく饒舌に話してくれたおかげで退屈しなかった。
「じゃあねA」『はい！また』
別れ際も今度遊びに来ると言い去っていった
めっちゃ懐いてくれるやん嬉しい事この上ない。
覚えようとしてくれている、凄く嬉しい。
蝶屋敷へ戻る時、太陽の光でキラキラするシーツが写った
調子乗った事を言うと正に私の気分を表しているかのようですねハイ
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サワーポメロ(プロフ) - モブサイコ100知ってます！面白いですよね！ (2020年4月23日 12時) (
レス) id: 2fd1d8b796 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ふうさん» アオイちゃんが自分を腰抜けだと言っていたのは、過去に嫌なモブ隊士に言われちゃったりしたのかなぁと思って書きました。でもたぶん実際居ますよね、嫌な奴のは。作中で炭治郎くんが関わらなかっただけで、、、。もう私も本来なら目ん玉抉りたいレベルですよ！！ (2019年11月9日 10時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ケチャップさん» けっこうな歳なのにヤンチャで凶器振り回す所、それが鋼塚さんの好きなポイントです笑 (2019年11月9日 10時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - モブ隊士のくせにっアオイちゃん達いなかったら体力落ちてるくせにっどうせ今頃お陀仏のくせにっアオイちゃんを悪くいうなぁ!!目ん玉抉るぞぉ!!すいません冗談です許してください (2019年11月8日 18時) (レス) id: 0f2e7dcacf (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ - 鋼塚さん怖い…w (2019年11月2日 15時) (レス) id: 7bf493a5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年10月14日 14時
