今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

110話 ページ19

…その後私達は、黒子の人達("隠"と言うらしい)に担がれて蝶屋敷へと運ばれた
善逸くんが羽織を持ってきてくれていたので、それを着て私は隠の人の背中で寝てしまった。
泣き疲れたのもあるけど猗窩座との戦いでは何度か体を回復させたし、極めつけは最後日光で燃えたからだろう。
蝶屋敷で私が目覚めたのは戦いの日から四日経った頃だった。
柱合会議の時と比べたら少ないな。

胡蝶さんに目が覚めた事を伝えた後、私は部屋に戻る。
…何もする気が起きない
あー、駄目だなぁ。
引きずってしまうのは私の悪いところだ。
立ち止まって、蹲っても仕方がない。
『…』
ひとりでいるとマイナスな事ばかりぐるぐる考えてしまう。
……そうだ、炭治郎くん達に会いに行こう。
みんなどっかしら怪我してたし心配だな…



「…あ、Aちゃん！」
廊下を歩いていると前から善逸くんがやって来た。
「目覚めたんだね、良かったぁ…」
安心したように笑ってくれる。
善逸くんは頭に包帯を巻いていた。
…そして目の下にはクマがあった。
『善逸くんも無事で良かった…』
私も口角を上げる。
たぶん、凄くぎこちなかったんだと思う。
善逸くんは私を数秒見つめたあと微笑んだ。

「病室行こうとしてたの？」
『うん…あの、みんなは平気そう？』
「うん。みんな起きてるよ。でも炭治郎の腹の傷がちょっと深かったらしいな…」
そっか、炭治郎くん怪我してたな…
伊之助くんは目立った外傷は無さそうだったし、たぶん問題ないのだろう。
「Aちゃん」

「一緒に頑張ろう」
『！…うん、頑張ろう』
ぺたぺたと廊下を歩いていく。
私は彼を見送ると自分の頬をパンと叩く。
『…ふー、…よし』
私の音がおかしかったのかな。
だから善逸くんは最後に言ってくれたんだろう。
私みんなより精神年齢高いはずなんだけどな…みんなの方が大人な気がするのは気のせいかしら。
助けられてばっかりだよ皆に。



『あ、ついた』
そんな事を考えていると病室に到着
中に居たのは炭治郎くんひとり。
善逸くんはさっき会ったけど伊之助くんどこ行ったんだろう
というか炭治郎くんベッドから起き上がって禰豆子ちゃんの箱背負っちゃってるけど大丈夫なのかな
善逸くんが傷は深かったって言ってたけど…
『…ん？』
待てよ？
彼、今からどこか行こうとしてないか？
違和感なかったけど隊服着てるし刀持ってるし…
これは怪しい
『…何してるの？』
「あ、A…え、えっとコレはだな、あのちゃんとした理由があって…」


.

111話→←作者から

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す