検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:271,444 hit

94話 ページ2

…今回血気術で無限列車の乗客全員を夢の中へ連れてったのは魘夢という鬼だった。
魘夢は眠らせた鬼殺隊員の"精神の核"を壊し生きる屍にさせて殺すつもりだった。
壊すために夢の中へ送り込まれたのは魘夢に幸せな夢を見せてもらうため手下となった人間。
そして今、Aの夢の中へと入ってきたのは白血病の少年だった。



Aがこの世界は偽物だと気づいた時、少年がちょうどAの無意識領域へと入った時だった。
足を踏み入れた少年は、周りを見渡すと思わず顔を歪めた。
「なんだここは…」

暗い夜道。
周りにはいくつもの建物があった。
よくある平屋ではなく、都会にあるような丈夫そうで高い建物。
どこからか、うっすら悲鳴が聞こえて、よく見ると地面や建物には血が付着していた。

それはAの前世での記憶に近いものだった。
前世の東京のとある路地裏の風景。

「…はやく壊そう」
不気味なこの空間から早く抜け出したかった。
少年が悲鳴や血溜まりを無視して進んでいくと、しばらくしてAの精神の核が見えてきた。

この暗い空間の中で唯一光を放っている。
「あれを壊せば僕も幸せな夢を…!」
青白い光を放つ核に近づく。
あと数歩…と、いうところで。

「うわっ」
少年の目の前に何かが振ってきた。
後ずさりして、それが何か確かめた少年はサッと青ざめて震える。

振ってきたのは一人の男。
しかしただの男じゃなかった。
腰辺りから触手のようなものを生やした人外の化け物。
両手には…たぶん…恐らく、人の内臓を持っていて口周りは真っ赤に染まっている。

「(なんなんだ、なんなんだアレは…っ!!?)」
無意識領域には誰も居ないはずなのに。
しかも人間じゃない化け物だ。

後ずさった少年は背中に何かが当たったのを感じた。
嫌な予感がして振り返る……と
「〜っっ!!」
そこには似たような化け物が居た。
しかもひとりじゃない、何人も…
気づいた時には少年は囲まれていた。
殺される…っ
あまりの恐怖に手に持っていた道具を落としてしまう。
精神の核はすぐそこなのに届かない。

焦って息が荒くなり体が硬直してしまったその時、
「っあ、」
足元の空間がフッと消えて少年は落ちていった。
Aが自力で目覚めたので現実世界へと引き戻されたのだ。



Aの無意識領域は少年の心に絶対的な恐怖と絶望を与えトラウマを植え付けた。
他人の夢へ入ると共鳴して影響を受ける場合がある。
少年は正しく悪い意味の影響を受けてしまったのだ。




.

95話→←設定的な



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (131 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
315人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

サワーポメロ(プロフ) - モブサイコ100知ってます!面白いですよね! (2020年4月23日 12時) (レス) id: 2fd1d8b796 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ふうさん» アオイちゃんが自分を腰抜けだと言っていたのは、過去に嫌なモブ隊士に言われちゃったりしたのかなぁと思って書きました。でもたぶん実際居ますよね、嫌な奴のは。作中で炭治郎くんが関わらなかっただけで、、、。もう私も本来なら目ん玉抉りたいレベルですよ!! (2019年11月9日 10時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ケチャップさん» けっこうな歳なのにヤンチャで凶器振り回す所、それが鋼塚さんの好きなポイントです笑 (2019年11月9日 10時) (レス) id: ec3dea80f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - モブ隊士のくせにっアオイちゃん達いなかったら体力落ちてるくせにっどうせ今頃お陀仏のくせにっアオイちゃんを悪くいうなぁ!!目ん玉抉るぞぉ!!すいません冗談です許してください (2019年11月8日 18時) (レス) id: 0f2e7dcacf (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ - 鋼塚さん怖い…w (2019年11月2日 15時) (レス) id: 7bf493a5f5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まどろみ | 作成日時:2019年10月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。