今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

129話 ページ38

「だが…努力が必ずしも結果になるとは限らない。自分で成長を感じられない、そんな時もあるだろう。だが俺は結果もだが、それよりも努力を積み重ねた時間こそが重要だと考える！！」
努力は強さに全てが比例する訳ではない。
実ることは少ない、それは私も何となく聞いた言葉だ
「積み重ねた時間は"俺ならできる"という自信に繋がる！」
笑顔を浮かべた煉獄さんは、日々精進しろと強い眼差しを向けて来た。
…不安だった気持ちが晴れていく
自分を信じられなかったら、出来ることも出来ない。
最終的に大事なのは心の持ちようだ。
身体も心も強い人こそが本当の強い人……煉獄さんは本当に凄いなと改めてヒシヒシ感じた。

笑顔を浮かべていた煉獄さんは、ふと何かに気がついたように顔を前に向けた。
そして、「そろそろか」と言う。
え？と思い私も真似をするが、そこは初めと同じ変わらぬ空が広がっている。
私にはわからないけど、たぶん時間が無いんだ

「小鳥遊少女、最後にこれだけ言っておく。」
『、はい！』
ピシッと背筋を伸ばす
「心を燃やせ。限界だと思った時、そこから一歩踏み出せるかどうか…そこには大きな差がある！決して諦めるな」
『はい！』
煉獄さんは笑うと羽織を揺らし立ち上がる。
そして前へ足を進めた。
…もう時間なのか
彼の背中が前よりももっと大きく見えた。
『ありがとうございました！』
彼は元気で真っ直ぐな笑顔を向けてくれた。
私の口角も自然と上がる。

…一歩を踏み出せるかどうか、そこには大きな差がある……
諦めるなと言う言葉も、彼が言うと重みが違った。
今まで本当にそうやって来た人が言う言葉だから。
簡単に言うようなものじゃないから心に響く。

体の使い方を見直そう。
自分の限界を知り、伸ばして行けるようにしよう。
不安な心も晴れた。
今なら何でも頑張れる気がする。
…でも、こうやって彼の言葉に頼るばかりではいけない。
自分でも思った以上に私は煉獄さんを尊敬し、頼りにしてる。
短い間だけど、それ程までに彼は濃かった。
…これからは自分でちゃんと答えを出せないとな

そう思っていると、体がフワリと浮くような浮遊感に包まれる。
もう時間が終わってしまったんだ
その感覚に目を閉じ身を任せると……



『…』
目が覚めていた
視界には蝶屋敷の天井がうつる。
外では鳥の鳴き声。
しばらくボーッと先程の事を考えていた。

『…よし』
私は昨日までと違う
ちょっとだけグレードアップした小鳥遊 Aだ。
頑張ろう。

130話→←128話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す