今世でも私の主食は人間らしいので絶食することにします。~third~【鬼滅の刃】

119話 ページ28

…次の日。
私は屋敷にやって来た隠の人におぶられ、御館様の屋敷へと向かった。
どうして呼ばれたんだろう、心当たりはあるけど実際どうかわかんないし……
胡蝶さんにたずねたけど彼女は何も答えてくれなかった。
私が約束を破ったからその仕返しかもしれない。

私が屋敷へ行くのをとても嫌がっていたら善逸くんに苦笑いされた。
いつもなら「気をつけてねぇ〜」と共感してから応援してくれるのに今回はやけに寂しい。
ちょっと素っ気ない態度を取られた気がした。
伊之助くんは…うん。
散々バカにされたけど言い返せないのが悔しいぜ



そんなこんなしている内に、気がつけば屋敷へと着いてしまった。
庭の所で隠の人に下ろされて私はビクビクしながら辺りの様子を伺う。
「A、こちらへおいで」
『ァッはい！』

この前と同じ、室内の方からあの落ち着く声がした。
やばいとても緊張する、こんなガチガチになったのは久々だ。
手と足が同時に出そう。それは恥ずかしい。
御館様の所に向かえば綺麗な正座でこちらを優しく見て微笑んでいた。
…が、彼の背後にはもう一人男が居た。
……何故ここに？あの人も呼ばれたのかな



「おはようA。こうして会うのは柱合会議以来だね」
そして、こちらに上がりなさいと手招きされる。
私はもうとても急いで御館様から離れた所に座った。もちろん「失礼します」も忘れず言ったさ

「今日はAと話がしたかったんだ。…その前に、この場に天元も同席させる事を許しておくれ」
『は、はい』
私と少し離れた所に座るのは、柱合会議で私の頭を押さえつけてきた派手男だった。
…話、とは一体なんだろう。
この派手男と共通する話だろうか、任務とか？
なぜ同席してるんだろう
『(…あ)』
そこまで考えて気づいた。
…私が鬼だからだ
いくら組織で認められたとは言え、まだ柱との行動を義務付けられている。
つまり信用がない。
そんな者を鬼殺隊のトップである御館様と二人きりにさせたら何をするか分からない。
殺されるのを覚悟で抵抗の出来ない御館様を喰らうかもしれない。
柱を付けるのは当たり前だ。
『(…まあそうだよね、分かってはいたよ。)』
鬼だもの。認められたとは言え、鬼は鬼だから。



「…先日の任務、ご苦労だったね。報告にあったのだけど…Aも杏寿郎と共に上弦の参と戦ったようだね。」
『…はい。拳を合わせて分かりましたが…やはり上弦と通常の鬼とでは、天と地程の差がある。私は軽くあしらわれたようなもので…』

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