存在価値 ページ21
「38度…最悪…」
熱を計り終えたAさんは体温計を確認して渋い顔
もっと高いかと思った…
「薬、持ってきたから飲んで」
「ありがとう…ごめんね」
「だから言ったじゃないですか…無理するなって」
「こんなの大したことないわよ」
ホント頑固で意地っ張りだな
弱った姿なんて殆ど見せてくれないんだから
「まだ２時間くらい寝れますよね？寝てください。俺、ここにいるから…」
「チャンミン…キミは上に帰って」
「え？」
「今はここにいられると気になって眠れないわ」
俺はここにいたい
心配だし、何かあったら…
でもそれをAさんは望んでいない
「俺がしてあげられる事はない？」
「大丈夫よ…ありがとう」
「そっか…じゃぁまた朝来ます。ちゃんと寝てくださいよ」
「キミこそ私の事は気にしないでちゃんと寝なさい」
気にするなと言われても無理に決まってる
Aさんに言われた通り最上階に戻り、自分のベッドに転がるけど当然睡魔なんて襲ってこない
Aさんにどうやって仕事を休んでもらうか
そればかり考えていて
Aさんの起床時間までの２時間は本当にあっという間
またすぐにAさんの部屋に戻った
今日くらい朝飯は俺が作っても文句は言われないよな…？
少し気合いを入れて寝室に向かおうとしたら、キッチンに立つAさんの姿が目に飛び込んだ
「何してるんですか？」
「あぁ…さっきはありがとう。迷惑掛けたわね」
「何してるのかって聞いてるんだけど」
「見れば分かるでしょ？朝ご飯作ってるのよ」
「熱は？下がった？」
「大丈夫よ…ｷｬ」
ウソだ
直感で分かったから無理矢理Aさんをこちらに向かせ体温を確かめた
…やっぱり
さっきより上がってはいないと思うけど絶対に熱は下がってない
「ベッドに行って」
「大したことないわ」
「今日は仕事休んで」
「無理よ」
「俺、午前中は病院付き添えるから」
「朝イチで打ち合わせがあるの」
やっぱり素直に‘うん’とは言ってくれない
「こんなんで仕事？出来るわけないだろ！」
「出来るわ！」
こんな時まで意地張るなよ
悪化して最終的には周りに迷惑掛けるに決まってる
「休んで」
「休まない！余計な心配しないで！！」
余計？
また俺の心配は余計だって？
「じゃぁ勝手にしろ！望み通り俺はもう何も言わねぇよ！！」
傍にいろだの心配するなだの、言ってる事がメチャクチャだ
Aさんにとって俺って何なんだよ！
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とんこ - え〜完結ってなってたからシリーズ最初から読んじゃったけどこれひょっとして区切りも着いてないですよね。折角面白かったのに残念。こんな気持ちになりたくなくて完結作品捜して読んだのに (2019年1月4日 8時) (
レス) id: ea70574319 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - ベルギーを称賛ってさすがだね (2018年7月3日 18時) (レス) id: b2dbe2074b (このIDを非表示/違反報告)
純蓮(プロフ) - 千衣さん» ちょっとアホっぽいチャンミンにどんどんにやけちゃってください(笑) (2018年6月30日 9時) (レス) id: a8649ab444 (このIDを非表示/違反報告)
千衣(プロフ) - 純蓮さんの言葉のチョイスが４０代の私にはツボです。『浮かれポンチ』＝この作品のチャミ、当分ツボってにやけるヤバイ人になるな〜 (2018年6月30日 7時) (携帯から) (レス) id: 4037bbf8fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：純蓮
| 作成日時：2018年6月16日 22時
