「役に立たない乃木くんと学校の怪談の話です☆」「役に立たなくないよ〜」

「夏の肝試し大会！？やっぱ脅かす役だよな！」 ページ14

ようやく全ての階段を上り終わり
少し進むと柵があって、
柵の向こうは崖だった。




2人とも言葉が出なかった。
田舎でもないここでも、
星がとても綺麗に見えたのだ。




その雰囲気をぶち壊すように
乃木くんの携帯がなった。
ずっと戻ってこなくて心配した
多橋が電話をかけてきたのだ。




「はっしーが心配してるから帰るぞ
お前、足大丈夫？」




「あれは誰かに足を引っ張られたから
コケちゃったんだし！」




Aがそう言うと乃木は
何も言わずに右手でAの手を取り
左手でスマホのライトを照らして
階段を降りていく。




「乃木くん！手！」




「ん？あぁ、手ぇ繋いでれば
幽霊来ないんじゃね？と思って♥」




理由はどうであれ乃木に
手を繋がれたことに恥ずかしさが
こみ上げてくる。顔が赤くなるA
に乃木はニヤニヤしていた。



「もー照れちゃってー♥
俺気にしてねぇから気にすんなって！」




乃木はそういい前を向いて階段を降りる
それについて行くAの顔の
赤みは取れず、哀しさが残っていた。
17歳の夏、恋に気づいてしまった。




4人が見えてきた頃、もう大丈夫だろと
手をパッと話して4人と合流したら
早々に多橋に怒られた。




「俺らは数分で帰ってきたのに
お前らだけ何十分かかって変だなと
思わないのか、あとなぜ連絡しない」



などと長々とAと乃木は説教された
その後、乃木は怪我がないかAの
膝に触れた。



「怪我ねぇわ、良かったね♥」



「神のおかげ、ありがとうございます⭐」

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