寒がりのらくがき懐炉 ＿まふゆ ページ23
まふゆ side
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『ックシュ、まふゆ、今日は寒いねえ』
登校、お母さんの目が届かなくなる頃の距離まで着いた途端、鼻を赤くしたAが合流する。
マフラーを巻いて、インナーを厚くして、もうすぐ冬も終わるのに、冬本番のような格好をしているA。本人はいたって真面目で、寒がっているようだけれど。
「今日はそこまで寒くないでしょ。Aが寒がりなだけ」
とは言っても、お母さんも寒がりなのか、私にマフラーを渡してきた。私は寒くないのに、手編みのような 間隔が空いたマフラーを首に巻き付けた。
『嘘だあ、まふゆだってマフラー着けてるもん… 今日は寒いんだよ、きっと…』
ぶるっと震えた体を抱きしめるA。寒いって言ってるくせに、手袋はしていない。手は寒くないのかな、気になった。
フとAの手を取って繋ぐ。ひんやりしているのが伝わってくる。
『わっ、…まふゆ、手あったかいね。ふふ、このまま繋いでよ！』
にっこり笑って歩きだした。途端風が吹いて Aの足が一瞬止まる。
『…今日、やっぱり寒いよ。まふゆにこれ、あげるね』
「…？」
離されて空になった手のひらに置かれたのは、黒ペンでらくがきされたカイロ。少し不格好な猫と、なぜか隣に雪だるまが描かれていた。
「…猫の形、変だね」
『えっ、そこ気にするの！ まあ、確かに変だね… 私、あんまり絵は上手くないから、見逃してほしいな』
透明な息をゆっくり吐いたAは、もう一度私と手を繋ぐ。
『お母さんには、内緒ね。まふゆが怒られちゃう』
寂しさを孕んだ笑みが私に向けられて、Aは トン、と私に軽くぶつかった。
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さき(プロフ) - ふみふゆさん» 迷惑だなんて、とんでもない！とっても嬉しいです！ありがとうございます…！！ (2月6日 19時) (
レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふゆ(プロフ) - 迷惑だったらすみません、雰囲気とか話し方とか、全然壊れてなくて好きです…… (2月6日 18時) (レス) @page12 id: aed784c8de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき。 | 作成日時：2023年9月12日 23時
