日照りの匂い / 3、lntn ページ37
※学パロ
季節は夏、と言うよりも梅雨前線まっただなか。冷房の効いた図書室とはいえ、特有のじめっとした空気にため息をこぼすと、隣の席のしゅうさんがあら。と声を漏らした。
｢物憂うなんて珍しい。｣
｢失礼な、私だって悩むわ｣
｢なに、別れたの？｣
｢殺すよマジで｣
はいはい、と肩を竦めるしゅうさんの手元のテキストを見ればすでにほとんど埋まっていて、己のワークペースの遅さにまた頭を悩ませた。
大学行く、と決めてから勉強はしてるけど、なにせ地頭が悪い。本格的に勉強を始めたのは中三からだったし、高二なんて特に、来たり来なかったりが多かったからなおのこと。
｢Aちゃん終わってないじゃないのね〜｣
｢うるっさいなぁ、英語なんて出来なくていいの。｣
｢中学の範囲ですけどね｣
｢ああああうるさあ〜｣
思わず机につっ伏す。あんた起きなさいよ、と私の足を控えめに蹴ったしゅうさんに腹が立って蹴り返そうと体を持ち上げると、目の前に置かれた可愛らしい包みがひとつ。
｢なにこれ｣
｢Aちゃんの彼氏さんから、お土産｣
｢え、なんでしゅうさんが持ってんの｣
｢この前会ったから。｣
｢は、聞いてない｣
ていうかお土産ってなに、どっか行ったの…？私に言わずに……？嫌いだわ。怒りと悲しみに目頭を抑える。いや、よく考えてたらLINE来てたかも。通知切ってるから気づかなかったけど。前言撤回、ごめんよ彼氏様。
包みに手を伸ばそうとすると、しゅうさんの手によって阻まれた。は？やるかこいつ。
｢私のじゃん｣
｢ここまで終わらせたら渡すから」
とん、としゅうさんの指でさされたページはまさかの理系問題。こちとらゴリゴリの文系。最悪だ。
ただ、夏休みに勉強を教えてもらうために理系のしゅうさんをよんだのは私だ。仕方あるまい、とペンを握る。
｢……わかんない｣
｢どこ？｣
｢全部｣
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相田(プロフ) - 本当に素敵な作品をありがとうございました、そしてお疲れ様でした！ログアウト後もどうかご自愛ください。楓様の作品が本当に好きです、改めてありがとうございました！ (2021年7月17日 1時) (
レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 相田さん» コメント頂きありがとうございます。アカウントの方は完結後ログアウトとなりますが、もし機会があればまたどこかで…！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: bb94798393 (このIDを非表示/違反報告)
相田(プロフ) - 日々の支えであった楓様の作品を拝めなくなると思うととても寂しく思いますが、アカウントを消された後もどうかお元気で...！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2021年3月25日 11時
