知らぬが仏、妹様 / ut ページ12
うたた寝をしていた夕方、A、Aちゃ〜んとそれはもうねっとりと、しつこ〜く名前を呼ばれてるのがイラついて目を開けると、そこに居たのはクズで有名な兄の友人でした。
｢なあ〜グルちゃん知らん？ノーパソパクリに来てんけど｣
｢兄さんならトントン？さんとご飯行ったよ｣
｢はぁあ！？俺置いて？｣
薄情な兄貴やんなあ〜！なあAちゃん！とぶうたれる鬱さんを横目にあくびが零れた。
リビングのソファーで寝ていたからか、体が固まってて痛い。せやんな〜なんて適当に返すと、自然な動作で私の隣に座った。
｢俺待ってるわ。Aちゃんも俺みたいなお兄さんといられて嬉しいやろ？｣
｢は？いや、顔でか…｣
｢めっちゃ関係ないディスり方するやん｣
困ったように笑う鬱さんは嬉しそうで、というか私の前では基本的にいいお兄さんでしかないから、本当にクズなのかと疑ってしまう。
兄が言うに、鬱さんは女たらし、だらしがない社会不適合者らしく、中学生の私に近づけるのですら本来であれば許されないレベルだと。
マジトーンで話してたから冗談ではないんだろうけど、本当のことだとも思えない。
寝ぼけた頭でぼーっと考えていると、鬱さんがAちゃん、とまた私の名前を呼んだ。
｢この時間帯っていっつもAちゃん1人なん？｣
｢え？まあ、うん｣
｢せやんな…｣
今まで見た事ないような真剣な顔をして、腕なんか組んで考え込んでる鬱さん。
兄さんと同じ大学に行ってるだけあって、なんというか、様になるなあ。
かちこち時計の音だけが響くリビングで、5分経った頃だろうか。おもむろに携帯を取り出した鬱さんが素早くタイプしたかと思うと、私の方を見た。
｢Aちゃん、俺の事嫌い？｣
｢は！？いや、嫌いではないけど｣
｢せやったら好きやんな。よし、俺と出掛けん？｣
｢えっ、えっ？｣
かなりの笑顔でそう告げる鬱さんはもう出かけると決め込んでいるようで、はよ準備してきい！と私の背中を押す。
｢あの、だって、兄さんは？｣
｢ええねんあんな薄情兄貴。メールしといたわ。｣
｢ええ……？でも、出かけるってどこ？大丈夫なん？変な事せえへん？｣
｢はああ〜！！グルちゃんが何言うてるか知らんけどおれはAちゃんに手出すような底辺ちゃいます〜！そらもう、Aちゃんが行きたいとこ連れてったるよ。｣
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相田(プロフ) - 本当に素敵な作品をありがとうございました、そしてお疲れ様でした！ログアウト後もどうかご自愛ください。楓様の作品が本当に好きです、改めてありがとうございました！ (2021年7月17日 1時) (
レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 相田さん» コメント頂きありがとうございます。アカウントの方は完結後ログアウトとなりますが、もし機会があればまたどこかで…！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: bb94798393 (このIDを非表示/違反報告)
相田(プロフ) - 日々の支えであった楓様の作品を拝めなくなると思うととても寂しく思いますが、アカウントを消された後もどうかお元気で...！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2021年3月25日 11時
