冗談 / knsm ページ11
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暑い夏の日。幼馴染のコネシマと、家の縁側に肩を並べてアイスを食べる。
多弁な彼が唯一静かになるのが何かを食べてる時なんて、ちっちゃい子供みたいだなと笑みが零れた。
「なぁ知ってる？」
さく、ソーダ味のアイスをかじる。
「アイスの人間て、ジュースの人間と結ばれると溶けてしまうらしいで。」
「なにそれ。ファンタジーの話？」
本当にちっちゃい子にでもなったのか、とつい笑ってしまった。
…いつもならちゃうわ！とかせやねん！とか、何かしら返してくれるのに。
違和感を感じてコネシマの方を見ると落ち込むみたいに俯いていて、からかったことに後悔した。口の中に苦い味が広がる。
「出生確率は低いねんけど、アイスとジュースっていう性質を持って産まれるやつがおんねん。」
「……なんか、名前が可愛いね」
「やろ？けどな、アイスがジュースと付き合うと、アイスの方が3分以内に溶け死ぬんやて。」
「えぇ、なんか怖いね。でもどうしたの？そんな話。」
「まぁ、なんというかなぁ…」
口を閉ざし、アイスの棒をくるりと回す。
既にアイスは溶けきっていて、コネシマの足元にはその残骸が残っていた。
はは、と自虐のように笑う。
「な、Aって……いや、やっぱいいわ。すまん。」
アイスの棒を咥えだはは！と笑う姿がから元気に見えて、苦しくなった。
じっと見つめると罰が悪そうに目を逸らし、逃げ場がないことがわかるとため息をついた。
「俺、Aのこと好きやってんな。あ、けど、昔の話だし。」
「は、えっ……え？まじか、気づかなかったなあ〜。」
「そりゃあ、気づかれんようにしてたし。Aはどうなん？俺の事好きだった事とか！」
「申し訳ないけど無いかなー…。コネシマは私の親友で悪友だし。今もそうでしょ？」
せや。と力強く頷く。オヤジ臭く腕なんか組んで、快活そうに笑ったあと苦笑いをした。
「でも良かったわ。あの時、俺が溶けんで済んで。」
「溶ける？何言って、」
「ッてあーーッ！！！A、アイス溶けてる！スカート！！」
「え、あ、うわ！ほんとだ！もー！！」
スカートの汚れた部分をつまむ。最悪だ！
着替えてきい！と笑うコネシマを足先で蹴ると、いつもみたいになんでや！と笑った。
よかった、いつものコネシマだ。明るい気持ちで自室へと歩く。
風鈴の音がチリン、と鳴り、涼しい風が通り抜ける。彼のから元気がやけに頭にこびりついて、はなれなかった。
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相田(プロフ) - 本当に素敵な作品をありがとうございました、そしてお疲れ様でした！ログアウト後もどうかご自愛ください。楓様の作品が本当に好きです、改めてありがとうございました！ (2021年7月17日 1時) (
レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 相田さん» コメント頂きありがとうございます。アカウントの方は完結後ログアウトとなりますが、もし機会があればまたどこかで…！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: bb94798393 (このIDを非表示/違反報告)
相田(プロフ) - 日々の支えであった楓様の作品を拝めなくなると思うととても寂しく思いますが、アカウントを消された後もどうかお元気で...！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2021年3月25日 11時
