蝉時雨に溺れ死ぬ / lntn ページ1
カンカンカンと耳障りな音がする。アスファルトに敷かれた踏切の遮断棒は、上がる気配はない。
雲ひとつない空に、太陽の光が反射する。じわりと滲む汗が気持ち悪くて空を睨むと、隣に立つ少女がくすくすと笑った。
「そんなことしても、お天道様は消えたりしないって。」
そんなのわかってる事だ。けれど、改めて言われると理不尽だな、と感じる。こうして俺らを一方的に焼くくせに。迷惑にも程がある。
ジジジジと鳴く蝉の声にまた空を睨むと、次は鈴の鳴るような声で笑った。
きっと俺をバカにしているのに、それでも憎めないのは愛嬌、はたまたなにか別のものか。
「それにしても暑いよね。去年はもっと涼しかったと思うんだけど。｣
手持ちのタオルでパタパタと頼りない風を送る。顔は真っ赤で、早く日陰に行かなければ倒れてしまうんじゃないかと心配になる程だ。
俺の視線に気がついたようで、少し落ち込んだ様子から一点、笑顔になった。それこそお天道様みたいに。
「やっぱり、こんな暑い日には川とかプールに行きたくなるよね。私的には、夏祭りが1番楽しみだけど。」
楽しそうに笑うやつだ。昔からそうだった気がする。いつぐらい昔かは、覚えてないけど。
何も言わない俺に気を悪くしたのか、笑顔がぎこちなくなる。さっきまでハツラツとしてた声はまごまごと口の中に消え、視線は線路の向こう側を向いていた。
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相田(プロフ) - 本当に素敵な作品をありがとうございました、そしてお疲れ様でした！ログアウト後もどうかご自愛ください。楓様の作品が本当に好きです、改めてありがとうございました！ (2021年7月17日 1時) (
レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 相田さん» コメント頂きありがとうございます。アカウントの方は完結後ログアウトとなりますが、もし機会があればまたどこかで…！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: bb94798393 (このIDを非表示/違反報告)
相田(プロフ) - 日々の支えであった楓様の作品を拝めなくなると思うととても寂しく思いますが、アカウントを消された後もどうかお元気で...！ (2021年6月30日 2時) (レス) id: 2ca09c2594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2021年3月25日 11時
