if you【短編集】 (ページ4)

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お兄ちゃんだったら Yuta.K ページ4

日曜日の朝。

手元のスマホが急に震える。

｢もしもーし。起きてる？｣

相手は兄。

『起きてる。なに？』

申し訳なさそうな口調から頼み事だと察する。

｢台本忘れて、さ。持ってきてほしーんだけどぉ…｣

やっぱり。

『えー。暇じゃないんだけどー。』

とか言ってみて

『どこに持っていけば良いの？』

結局は持っていく優しい妹。

指定されたのはレッスンをしているところの近くのカフェ。

それにしても遅い。

｢ごめん、待った、？｣

カランコロンという音とともに現れた優太。

『待った。はい、これでしょ？』

｢せんきゅーう。｣

そういえば顔を合わすの久しぶりかも。

優太が家に帰ってきたら大体私は寝てるし。
最近忙しいそうだしなー。

｢めちゃくちゃ俺の顔見るじゃん笑｣

『見てないよ！自意識過剰。』

｢Aは一言多い！傷つくんだけど！｣

優太にだけだよ笑

『ところで今日はなんの撮影？あ、映画か。』

優太の手元の台本の表紙を見て気づく。

｢そうそう。あ、すみませーん。ホットふたつ。｣

急に店員さん呼んで、頼み出した。

『私コーヒー飲めないんだけど。』

｢あーれ、そーだっけ！ごめんごめん！｣

ほんっとにバカ。

『しっかりしてよー。友達にもめっちゃいじられるんだから。』

｢Aが？｣

『そーだよ。兄妹揃ってバカだねって。』

｢いや、それはお前も悪い！｣

『悪くないしぃー。…ねえ時間大丈夫なの？』

｢やべ、そろそろ行くわ！｣

私のぶんのコーヒーを一気飲みすると椅子にかけていたコートを羽織った。

『今度海人くんに会わせてね。』

｢おぅっ！｣

よし、こーゆー急いでる時に聞くのが正解だな。

｢これ、ありがとな！気をつけて帰れよ。｣

『はーい。』

カランコロン

『頑張れ。お兄ちゃん。』