ウサポリ公と犯罪者 ページ1
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『ウサポリ遅いヨー、どこで油売ってたのさ』
薄暗い牢内に、いきなり強い光が差し込んできた。
格子越しで懐中電灯を持つ銃兎は、ワザと自分の顔面に向けて光を当ててくる
「黙れクソボケが。何でテメェは週3でしょっぴかれてんだ馬鹿野郎」
『悪口ヤベェな』
「たりめーだろ、コッチはどこぞのカスの為に30分時間割いてんだぞウスノロ」
『機嫌悪すぎー、今度ワイン買ったるよ』
「当然だろ。その前に金寄越せ」
『ほれ。今回稼げたから特別ボーナス出してるよ』
着ていた服の内ポケットに忍ばせておいたモノを取り出す
「…中々やるな、三流詐欺師のクセに」
格子の隙間から分厚い茶封筒を差し出すと、銃兎は乱暴に受け取る。
封筒の中には勿論
中身を確認し終わった銃兎は、早速スマホを取り出して何処ぞやに電話をかけた
「犯罪対策部の入間です、夜分遅くに申し訳ありません、12号室の先程の事件の犯人＿＿＿えぇ、情状酌量の余地があるかと結論が出まして……」
そう、数分話し込んだ後、タバコを取り出しながらスマホの通話終了ボタンを押した
『どーお？私は情状酌量の余地あり？』
「てめーに情状酌量の余地なんて元より無ぇよ。ただの適当な釈放理由だ、早くココ出ておウチ帰れ」
銃兎が格子戸を開ける。小さい戸から潜り抜け、出口のある方へそそくさと歩く
『タバコ1本ちょうだい、あと家まで送ってって』
「車停めてあんだろ」
『運転めんどい』
ふっー、と灰色の煙を吐き出し、ムショを出る
数時間ぶりに出た外は、もうすっかり暗くなっていた。
『星すごーい』
「ガキ臭いこと言ってないでとっとと失せろ」
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作者名：黒 | 作成日時：2020年7月26日 22時
