清純の真実･前編《名探偵コナン》 (ページ39)

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𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟹𝟾 ページ39

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探偵事務所の文字が見えてくると、ポアロ前にはすでに園子ちゃんの姿が。チュニックにショートパンツのラフな格好で日陰で佇んでいた。

「園子ちゃん！こんにちは」

「あ、Aさん！」

道路の向こうから声をかけると、私の姿を目視するなり手を振ってくれた。

「蘭、ちょっと準備に手間取ってるみたいで、もうちょっと待っててって……さっきメールが来たのでもうすぐ来ると思うんですけど」

「うん、わかった。まだ時間じゃないし、のんびり待ってましょ」

近くの横断歩道を渡ってポアロまで着くと、そう園子ちゃんが教えてくれた。私も出かける直前はバタバタしてしまうので気持ちはわかる。そうして園子ちゃんの隣に移動すると、1人まだ姿が見えないのに気づいた。

「あれ……そういえば世良ちゃんは？まだ来てないのかしら」

彼女も少し遅れて来るんだろうか。私が尋ねると、園子ちゃんは"あっ……"と思い出したように声を上げた。

「……もしかして聞いてませんでした？実は、世良ちゃん来れなくなっちゃったんですよ」

"あちゃ〜連絡し忘れちゃったかぁ……"と肩を落とす園子ちゃん。

えっ、世良ちゃん来れないのね……

あまり交流がないから一緒に行けると楽しみにしてたのに。体調でも悪くなってしまったのかと思って理由を聞いてみれば、どうやら家庭の都合で急に来れなくなってしまったらしい。残念だけど家の事情ならばしょうがない。

「でも、チケットを貰ったのは4枚じゃないですか。だからその世良ちゃんの穴埋めとして来るのが……」

園子ちゃんがそう言いかけたと同時に、真横の階段からタタッと駆け下りてくる音が。

「ボクだよ！こんにちは、Aさん」

あれ、コナンくん？

「も〜、コナンくん先に行っちゃダメでしょ？……すみません！お待たせちゃって」

そして少し間を空けて階段降りてきたのは蘭ちゃん。

ここで私は理解した。多分、急遽来れなくなってしまった世良ちゃんの代わりに、コナンくんが来ることになったんだ。私が蘭ちゃんに聞いてみればやはりそうだったらしく、"よろしくね！"とコナンくんが笑顔を向けた。

蘭ちゃん曰く、初めは毛利さんを誘っていたんだけど、昨夜のお酒の飲みすぎで二日酔いで行けなかったらしい。そして、そんなことならと彼を連れていくことになったそう。

「んじゃ、みんな揃ったことだし行こっか！」

私たちの話が一段落つくと、園子ちゃんがそう言って先に歩き出した。