𝙵𝚒𝚕𝚎.𝟺𝟻 ページ46
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サイレンを鳴らしながら米花町を走行する。
私はとても焦っていた。連続殺人犯の可能性があるなら、尚更早く捕まえなければいけないから。もし逃がしてしまったらそれこそ警察の恥になってしまう。
私は目撃情報のあった場所までいくと、パトカーを停めて車外に出た。
すると、持ってましたと言わんばかりでこちらに駆け寄ってくる1人の女性。顔は真っ青で、かすかに体が震えてるような気もする。その様子が尋常でないことは明らかで。
「あぁ、あの!警察の方ですよね?ちょうど良かった……今、血だらけの男がすぐ横を走っていったんですよ!」
「血だらけ…!?わ、わかりました!どの方面に逃げていったとかはわかりますか?」
「は、はい……多分、あの角を左に曲がったと思います」
「了解しました、必ず捕まえますからね!情報提供ありがとうございます」
きっとこの女性が言っているのは、まさしく私が探している殺人犯のこと。彼女の発言を頼りに角を曲がると、少し先でジャージ姿で彷徨いている男がいた。
「いた!あの男ね……!」
男は私の姿を見るなり、慌てて逃げだした。
間違いない、あの男が殺人犯だ。手に持っている血塗れのナイフがなによりの証拠。遠目での視認にはなったが、着ているジャージには返り血らしき汚れがこびり付いている。
待ってなさいよ……!絶対捕まえてやるんだから
私も急いで後を追う。意外にもその男は逃げ足が早く、まっすぐ走っていたかとおもえば急に進行方向を変え、近くの路地に入り込んだ。
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2023年6月11日 11時