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三社鼎立 4 ページ25

敦くんたちが出ていってから数時間。この状況に飽きだした乱歩さんが駄々をこね始めた。

「暇だ〜外出たいぃ〜」

「今出たらマフィアか組合に頸を千切り取られちまうよ」

乱歩さんは駄菓子がなくなってしまったのか、暇そうに机に足をのせる。あんなにお菓子食べてお腹痛くならないのだろうか、と乱歩さんをみているとふいに目があった。

「そうだ!A、何か面白いことしてよ」

「えぇ!?そんな無茶振りな……!」

乱歩さんは名案だ!とばかり言うが、無茶振りすぎる。面白いことって何だろう。賢治くんもきらきらとした目で私を見ていた。これはやれということか。乱歩さんが早く早くと促すので、取り敢えず思い付いたことをいった。

「ガ、ガチョーン!」

「………」

沈黙。傷ついた。全身全霊でやったのに乱歩さんは笑わないどころか冷たい視線を私にむけた。言い出しっぺは自分の癖に。賢治くんにいたっては、「面白いですね!ところでガチョーンって何ですか?」と言われた。私もわからない。昔テレビで見たやつだし。

「監視映像に異常は無いか」

「今の処は退屈な映像ばかりだねェ」

「この講堂は通常入口が存在せず、侵入には地下の廃路線を通る他無い。故に敵兵が侵攻して来た時、路線内の映像によって事前にそれと知れる」

そんなふざけている私たちをよそに、与謝野先生と社長は話始めた。

「戦争なんて退屈だよ!駄菓子の予備は半日で尽きるし、Aのギャグはつまんないし……」

「…すみません……」

乱歩さんはしばらく椅子でくるくると回っていたが、突然動きを止めた。何だろう、と思っていると視線の先には監視映像。与謝野先生が乱歩さんにどうしたのか、と聞く。気になって私も映像を見ると、そこにいた人物に驚いた。

「社長、攻勢を呼び戻した方が良いよ」

「敵か?襲撃規模は何人だ?」

映像には線路の上に堂々と立ち、こちらを見て口角をあげる帽子を被った男。

「一人だ」

「……中原、中也……!?」

私がそう呟いた瞬間、監視映像は途切れた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 中島敦   
作品ジャンル:恋愛
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塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時

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