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「弱い仲間を庇いながらだと、他の人も戦えないわよ。ということで......

 真くん、あなたには、これから地獄を見てもらうわ」


 表情を変えずにさらりと宣言すると、こちらを ちらちら 眺めて気にしながらも我関せずとギターの手入れをしていた晃牙を、Aが手招きする。


「晃牙くん。彼を、みっちり鍛えてあげて。『もう殺してくれ』と悲鳴をあげるまで、絶対容赦しないこと。

 彼には、そういう荒療治が、猛特訓が必要なのよ」

「あぁ? なんで俺様が?」

「晃牙くんは独善的で、他者を顧(かえり)みらない。けれど、抜群に優れているわ。そんな荒馬に跨(また)がり続ければ、どんな素人だとしても嫌でも成長する。

 成長できなければ、あっさり落馬(らくば)して死ぬだけよ」


「オメ〜は悪魔か」


 晃牙は素直ではないだけであり、内心は頼まれて嬉しいという気持ちでいっぱいなのだ。


「おい、アホの明星ども。おまえら、頼る相手間違えたんじやね〜の?

 こいつ、吸血鬼ヤロ〜より性格悪いぞ」

「いや。成り行きとはいえ、こうして朝霧先輩の指南をいただけるのは幸いだ。俺たちには必要なんだ、厳しい師が。少年漫画のような、苛烈(かれつ)な修練が」


 応えたのは北斗だった。

 先日とは見違えるほどに、その全身には生気がみなぎっている。

 何かが、始まろうとしている。

 彼らの物語、そのエンジンに熱が入る。

 あとはぶっ壊れるまで、進むのみ。


「でないと。強大無比な生徒会には、とても太刀打ちできない」

「以外と熱血漢だよね、ホッケ〜は。でも、俺もちょっとワクワクしてきたよ☆」


 スバルが軽い感じで同調する。


「で、朝霧先輩、俺は俺は?」

「明星スバルくん」

「はぁ〜い☆」


 良いお返事だこと...。

 元気が有り余っている。


「あなたには言うことはないわ。あなたは一人前よ。アイドルとして必要な技能はすべて規定値以上に、すでに有しているわ。

 歌も踊りも魅了も何もかも、ね」


 百点満点、みたいな評価である。

 スバル本人はあまり実感がないのか、首をかしげているけれど。

 本当に、彼は飛び抜けている。

 まさに、天才なのだろう。

 神様が特別な才能を与えた、時代の寵児(ちょうじ)。

 歴史を塗り替えるほどの大人気になれるかもしれない。


 しかし、欠点がないわけではない。

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- この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時

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