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「しかしまぁ...。あまり勝手な振る舞いはせんでおくれ、わんこ。生徒会に目をつけられるのは、あまりゆかいではないんじゃがのう?」


 零は棺桶のふちに手を添えてほんのり横寝の姿勢で、有閑(ゆうかん)な貴婦人めいたリラックスした態度をとって言った。


「テメ〜が不甲斐ないから、俺様が暴れてんだろうが! 動けよ、ちょっとは! 頼むからよう!」


 晃牙が食ってかかるみたいに吠える。

 文句をつけているというより、駄々っ子が親に懇願するみたいだ。


「あんたもよう、うちの学院が『このまま』でいいなんて思ってね〜だろ! あぁん!?」

「気持ちはわかるが、冷静になれわんこ。
 我輩は『三奇人』の一角じゃ、迂闊には動けんのじゃよ」


 零はやる気がなさそうに言った。


「『三奇人』と生徒会が全面戦争にでもなれば、踏み潰されるのはこちらじゃよ。

 かつて『五奇人』と謳を(うた)われた栄華を誇った我らも、2人が欠け、我輩以外の現役2人も自由気まますぎて手綱(たづな)はつけられん」


 どこまでも他人事みたいに、大失神までしていた。


「我輩だけで抗っても、盤石(ばんじゃく)なる生徒会にひび割れすらいれられんしのう。平和が一番____息苦しかろうと平和は平和じゃ、それを甘受(かんじゅ)しようではないか。

 のう、わんこ?」


  ぽん と間近で唸っている晃牙の頭を撫でて、にこやかに問うた。


「情けね〜こと言ってんじね〜よ、このポンコツ! このままでいいわけがね〜だろ!?

 反体制こそがロックン・ロールの神髄(しんずい)だ、俺様はひとりでも生徒会とやりあってやんよ!」


 強い眼力で零を睨み付けながら、頭を撫でている手を振り払った。


「まあまあ、落ち着けというに」


 軽く晃牙をなだめてから、零が野獣じみた瞳を細めた。


「まだ時機ではない、この学院の現状を『つまらん』と思っているのは我輩【ら】も同じじゃ。いつでも動けるよう____準備万端、整えておるつもりじゃよ?」


 一瞬だけ彼が放った威圧感に、騒いでいた晃牙が息を呑み押し黙った。

 そんな彼を愛おしそうにまた撫で撫でしながらも、零は悠然と語った。

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- この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時

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