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「この学院の現状は、理解できてるわね」
「はい、それなりには」
北斗は少し目を伏せながら彼女の言葉に肯定する。
「この学院は『よいアイドルの、よいアイドルによる、よいアイドルのための学び舎』...。よくないと認定されたアイドルは、劣等生は、ここでは永遠に日の目を見ることはできない」
「さっきの騒ぎが、それを表してますよね」
「非公式の野良試合は徹底的に弾圧されるし、公式のドリフェスも、八百長が常態化してるもんな...」
彼女の言葉を裏付けるように付け足した真と真緒。
真緒は生徒会会計であるためか、このことには詳しいようだ。
「夢を見て、野望を抱き、無数のアイドルたちがこの夢ノ咲学院に入学してくるわ。たっぷり与えられた愛情と、血と汗の滲む努力を積み重ねれば、きっと花開く夢を携(たずさ)えて...____でも、その夢は叶わない」
残酷な、現実の話...。
夢と希望に満ち溢れているはずの、この学院で。
「期待は裏切られ、研鑽は顧(かえり)みられず、個性や大事にしているものは否定され、規定された『アイドル像』...それに均(なら)されるのよ」
見定めるような眼力でTrickstarを見る彼女に、一同は体を強張らせた。
「この学院は、たしかに優れたアイドルを輩出し続けています。だがそれは、家畜のように遺伝子操作され____豚小屋に繋がれた、人間味のないアイドルです。
俺は...っ、そんなアイドルにはなりたくない！」
北斗は強く、真っ直ぐ彼女を見つめ、自分自身の意思を伝えた。
プロデューサーである彼女は北斗を見つめ、再び話し始める。
「商売としてなら、それでかまわないわ。業界が求める規定値に達していて、従順であれば、お金は稼げるもの」
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (
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作者名：白銀桜夢 | 作成日時：2017年10月29日 17時
