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虹色の枝 ページ47

「闇のチカラ……私、聞いたことがあります。命の大樹には、闇のチカラを祓う何かが眠っていると……やはり、お姉さま。イレブンさまを連れ、命の大樹に行かなくては……」

「イレブンよ、この枝を持て。」


そう差し出したのは一行がサマディーからずっと行方を追ってきた、虹色の枝だった。


「勇者のチカラを持つおぬしならば、大樹への道のりについて何かを知り得るやもしれぬ。」


イレブンは枝を受け取るが、これといって何かが起きる訳でもなかった。


「……何も見えない。」

「何も見えないって……その枝、ニセモノ!?まさか、あの情報屋にガセネタ掴まされたってこと!? 」


さすがのゼクも、このオチに憤慨するベロニカの気持ちが分かった。


「まー、こればっかりはタイミングとかもあるしな…仕方ねーよ。」

「でも、あんまりよ!」


魔法少女は行き場のない怒りを、騎士へぶつける。
それを頭に手を置いて距離をとれば、当たらない2つの拳が勢い良くグルグル回っているだけだった。


「ゼクの言う通りじゃ、仕方あるまい。これからはワシと姫も同行し、命の大樹への行き方を見つけるとしよう。」


こうして、一行の列にデルカダールの姫君マルティナと勇者の祖父でありユグノアの前王であるロウが加わった。


「よろしく頼むぞ、ゼクよ。」

「…すげー、やりにくい。」

「大変だな、騎士様は。」


ため息をついて肩を落とすゼクに、カミュが慰める。
そんな騎士をよそに、姫はよろしく、と華麗に挨拶するのだった。


───

ユグノア城跡を後にしようと歩いていた時、イレブンが手に持ったままだった枝が光出した。


「おい、イレブン。枝が……」


枝から光が溢れ、それは一行を包み込んだ。
光が収束すると、シルビアがいち早く騒ぎ出した。


「ちょっと!何よ今の!?アタシにも見えたわよ!」

「天空に佇む祭壇……」

「あと、6色のオーブか。」

「もしや、あの祭壇に6つのオーブを捧げれば命の大樹への道が、開かれるということでは!?」

「すげぇ……大樹への行き方がわかっちまった。」


これが求めていた枝のチカラか、とカミュは少し興奮気味だった。


「今見たオーブって、カミュが大事〜にしてるヤツだろ?」

「ああ、デルカダール城から盗んできたコイツに、そんな意味があったとはな。」


おもむろにカミュは袋からレッドオーブを、取り出した。

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年4月1日 23時

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