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善逸が機能回復訓練に行っている間に、俺は鎹梟の紫衣奈に頼んで屋敷の自室からとある物を取ってきてもらっていた。


ありがとう(サンキュー)、紫衣奈。」

「ドウッテ事、ナイワヨ。」


俺のやっと動くようになった足にとまる紫衣奈。
そんな彼女の首を、指先で細かく撫でれば大きな目を細めて気持ちよさそうにしている。


「……上弦ダッタラシイワネ。」

「ん……I thought there was still have a lot of work to do.(俺もまだまだだなって思ったよ。)

「……長イ異国語ハ、分カラナイワヨ?」

「そうだった。」


大きく丸い目に、苦笑した俺が映っていた。


「ソレデ?アレ、持ッテコイッテ事ハ…渡スノネ?」

「渡すよ、俺もあの子(善逸)も鬼殺隊員だしね…一緒に動けるなら可能な限り任務一緒に行って守れるけど、今回みたいに上弦相手だと無傷ともいかないからね。……不本意だけど、任務を嫌がるあの子にコレを渡すことで嫌がらずに任務に行けて多少なり強くなるなら。不本意だけど(・・・・・・)。」

「本当…過保護、ヨネ。」

It's noisy?(やかましいよ?)


ジト目で見つめても、なんの事?、と言わんばかりに首を傾げる紫衣奈。
本当、紫の名に相応しいくらいの性格してるよ。


───

「痛みは?」

「激痛はなくなった。」

「…痛み有り、と。どこまで動かすと、痛みが出るとかは?」

「ん…普通に歩いたりは支障なく出来てるよ、しのぶ。」


経過を診る為のしのぶによる診察。
遊郭から運ばれてから、一週間くらい経った。
隣の寝台には、誰もいない。
診察を受けながらも、いないはずの善逸を探そうと視線が無意識にそっちへ向く。


「……大丈夫ですよ、善逸くんは。そんなに弱くないですよ?常中も出来てますし。」

「何も言ってないよ、しのぶ。」

「"目"が言ってますよ?"心配"だって。…今すぐにでも飛び出して行きそうな程に。」


何も言えなかった。
まるでしのぶは、俺の心を見透かした様に心情を言い当てたから。


「機能回復訓練ですけど…不死川さんはどうですか?柱ですから、暇ではないでしょうけど…」

「実弥?分かった。」

「では、鴉飛ばしておきますね。」

「ん…ありがとう(サンキュー)、しのぶ。」


しのぶから機能回復訓練の話が出た、ということは、俺は明日から地獄(Hell)を見ることになるということ。
それは仕方ないから、腹を括るが。
俺の中には、確実に違和感があった。

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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時

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