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「ギャアアアッつべてぇええええ!!」
真冬の川よりも冷たい水。
善逸は、すぐに陸へと上がった。
異常だと思えるほどに、この川の水は冷たい。
死ぬ死ぬ、と騒ぐ善逸の下へ駆け寄り抱きしめてやりたいが生憎俺は、進行形で滝に打たれていた。
「
「如是我聞 一時仏在 舎衛国 祇樹給 孤独園。」
滝行の際、集中する為と意識があることを伝える為に念仏を唱えるよう悲鳴嶼さんに言われた。
俺の場合、元々家がキリスト教な為周りが唱えている仏教の念仏は知らない。
それを伝えると、その宗教でそれに近いものを唱えるよう言ってきた。
すぐに出てきたのが、祈りの言葉だった。
七度目になる祈りを口にしながら、善逸を見守っていれば岩にビタン、と張り付いていた。
根性がある炭治郎が滝へ向かって歩いてくる。
「
さっきまで聞こえていた伊之助の声が聞こえなくなった。
顔にかかる水を煩わしく思いながら、方目で炭治郎を見やる。
一度俺と目が合うが、向こうも気づいたらしく慌てて伊之助を陸へと連れていき蘇生させていた。
「
七度目の祈りが、今終わった。
───
「滝に打たれるだけなのに、本当にきついですね。高い位置から落ちてくる水があんなに重いなんて…体の力抜いたら首が折れそうだし…」
「いやいや…お前もあの猪もすげぇよ。初日、滝修業出来るようになるの夕方だったぜ。なかなか水に慣れなくて。」
「心頭滅却すれば火もまた涼し…その逆も然り、だよ?」
「お前は音柱の継子だから、慣れてるだけだと思うぞ……とりあえず一刻、滝に打たれ続けられるようになったから俺はこれから丸太の訓練だ…」
継子だからって言っても、辛いものは辛いんだけどね。
いなし方を知ってるか、知らないかの違いだと思う。
先輩の村田は、どうやら十日前からここにいたらしい。
凄いと褒めた炭治郎に、村田は自慢してたけど。
自慢するような事じゃ、ないと思うんだよね。
「紫音…」
話してた俺の背中から、善逸が抱きついてきた。
何かと聞けば、寒いって。
「善逸、
「…分かんないからな。」
嬉しいけど、自制するの大変だから止めてほしい。
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春月是駒(プロフ) - すずめさん» ありがとうございます!書ききれるように、頑張ります! (12月9日 14時) (レス) id: 6d8cf13a77 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - めっちゃ好きです…応援してます (12月9日 13時) (レス) @page45 id: 200c70ae26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年8月19日 18時