音の継子は我妻善逸に過保護3 (ページ20)

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はだけた浴衣。
そこから見え隠れする複数の鬱血痕(赤い花)と、歯型。
顔を赤くさせながらも、善逸は腕を体の前で組み俺を睨んでいた。
そんな俺は、寝起き一発左頬にもみじを刻まれた。

｢痛いよ、善逸。｣

｢当然でしょ！？それとも、拳の方が良かったかな！！？？｣

｢いや…｣

｢で？言うこと、ないの？｣

言うこと……
日付が変わるまで続いた情事を思い出し、俺は口を開いた。

｢善逸 during the s… was very …… and cute…(セ…中の善逸はとても……くて可愛かった…)｣

｢名前しか分かんないって……｣

｢最中の善逸はとても……くて可愛かった。｣

｢わざわざ言い直すなよっ！！｣

照れ隠しに投げつけられた善逸の匂いがする枕。
顔面直撃したから、善逸の匂いに一瞬クラッ、とした。

｢そういうことしてほしくないわけじゃないけどさ、さすがに"コレ"はやり過ぎじゃない？ねぇ、普通なの？コレ。｣

どこかの変態よろしく、浴衣をバッ、と開いて全身を見せてくる善逸。
その目のやり場に困る状況を脱したくて、俺は視線を逸らす。
それでも視界の端に映る善逸の体には、俺が残した独占欲の証が隙間なんてないのでは、と思える程刻まれている。

｢……ごめん(ソーリー)。｣

｢本当に思ってる？？……腰も痛いし。｣

浴衣の前をそのままに、善逸は腰を擦りだす。

｢今日から柱稽古ってのが、あるのに……死んだわ俺。｣

｢Haha...｣

すっかり抜け落ちていた柱稽古のこと。
乾いた笑いしか口から出てこなかった。
師範の下で訓練している間は、俺の部屋で善逸は寝泊まりすることになっている。
……訓練よりも善逸と同室の方が、大変かもしれない。

｢死んだら紫音のせいだからな！｣

｢ん、間違いなく俺だからね。それで、これからすぐ最初の訓練に向かう？｣

｢いや、蝶屋敷戻るよ。荷物、置きっぱなしだし。｣

｢そっか…付き合うよ、蝶屋…っ！｣

最後まで言わせてもらえず、俺の口は塞がれた。
何かと思えば、目の前に善逸がいて。
来た時と同じムッ、とした顔で俺を見つめてた。

｢当然だよね。……責任、とってくれるんでしょ？｣

目の前でそんなことを善逸が言うから、珍しく俺は耳が熱くなった。
何がどうなってる？
え、俺今……逆プロポーズされてるの？

｢Yes,my load...｣

俺が呟く異国語の意味が分からず、善逸が小首を傾げた。
ほら、またそうやって俺を喜ばせる。