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77´ ページ36

隊服脱がされて、首や腹、太ももに接吻されて鬱血痕残されながらなんとか羽織を着物にして着付けた。
仕度しないとならないのに、紫音が変な触り方とか接吻とかしてくるから俺の褌の中は大変な事になってたんだ。
たぶん、紫音にも知られてる。
知っていながら、そういうことするとかさ。
任務に支障出るでしょうがっ!
……行きたくはないけど!


「出来たよ。」


お人形の様に黙って座っていただけなのに、鏡に映る俺は本当にお人形のような可愛らしい顔をしていた。


「え……これ、ホントに俺?」

「そうだよ?……I want to push it down.(押し倒したい。)いい?」

「いいも何も!異国語わかんないからね!けど、駄目!なんか駄目な気がする!」


何かしらの許可を俺に求めてきたようだけど、その紫音からいやらしい音が聞こえてきたから断固拒否してやった。
舌打ちが聞こえたけど、空耳だと思いたい。


「おい、仕度出来たのか?」

「出来たよ、師範。Perfect(完璧)。」


音柱(筋肉ダルマ)の声がしたと思うと、紫音がそう返してから俺を立ち上がらせた。
くるり、と体を反転させられ宇髄さんと向き合わされた。
……なんだ、あいつ。
喧嘩売ってるの?
地味に変装とか言っておきながら、凄く顔が良いじゃないか!
どこが地味だよ!!どこが!!
けど、紫音の方が断然男前だ!


「……紫音、お前ちょっと来い。」


真顔で紫音に手招きした宇髄さんは、弟子が近づくとあの太い腕でガシリッ、と首へと回していた。


「お前、バカか?」

「馬鹿じゃないって、潜入の為に化粧したんだけど。」

「地味に変装って言ったんだよ!派手にしてどうすんだ!お前…行かせたくないって駄々こねてただろうが!」

「あ...」


声を落として話してる二人だけど、耳の良い俺には丸聞こえで確かに鏡で見た俺の顔は地味どころかとんでもなく可愛らしかった。
さすが、と俺は自分の顔を褒めてやりたいけれど今求められている顔はどうやらこれではないらしい。


「ったく…手がかかる弟子だな、おい!」


そう言った宇髄さんは、ズカズカ、と俺の前へと歩いてきた。
紫音より大きいから、圧迫感が半端ない。


「な、何…」

「この天元様が、直々にやり直してやるからとっとと座れ。」


ぐるり、とまた反転させられて俺は無理やり鏡の前に座らされた。
鏡越しに見えた紫音が、済まなそうに顔を歪ませてた。
そんな顔、しないでよ。

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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月11日 22時

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