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やっと自分の刀が手に入ると思うと、俺は朝からどこか浮ついていた。
「痛っ!」
「だ、大丈夫!?た、たんこぶ出来てない!?」
たまたま通りかかった須磨に目撃され、ワタワタと心配される始末。
「大丈夫、ノープロブレムだよ。」
「良かったぁぁ!紫音くん、気を付けてね?」
そう言って、家事の続きだろうか早足で去っていった。
我ながら
───
「紫音!派手に刀が来たぜ。」
師範の声が聞こえた俺は、バタバタ、と玄関へ駆けていく。
廊下でまきをに、走るな!、って注意された。
「
すれ違いざまにそう言って、玄関へ急ぐ。
玄関で足を止めると、そこには変な
あの変なマスク、ひょっとこって言うんだって。
「お前が鏡月紫音だな。俺は鐡一鉄。貴様の日輪刀を打った男だ。」
「ありがと。」
「鐡さん、ひとまずお上がりください。お茶、出しますので。」
「日輪刀の材料である━━━━」
雛鶴が中へ通そう上がるよう言うが、刀鍛冶の鐡なる男は人の話を聞かずにペラペラとしゃべり続けている。
俺も雛鶴も困ったように見合っていれば、そこに主の登場だ。
「鐡さん、雛鶴が派手に困ってんだ。さっさと上がってもらえねぇかな?」
「宇髄天元か。なんだ、子奴は貴様の弟子か。道理で、俺が担当になる訳だ。……ずんだ餅はあるのか?」
鐡一鉄、
人の話を聞かない
なんとか応接間に通した鐡の前に、俺と師範が座る。
美味美味、と目の前で鐡が食べている。
「鐡さん、刀……」
「慌てるな、小僧。刀は逃げん。」
「
思わず西洋の言葉で毒を吐いた俺を、その場にいる皆の視線が集まった。
「…それで、鐡さん。コイツの日輪刀は?」
「これだ。」
差し出されたのは二対の刀で、柄が
「ま、そうなるわな。」
「師範とお揃い…」
「派手に喜べ。」
「嬉しくない…」
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作者名:春月是駒 | 作成日時:2023年6月1日 18時