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障子が一度、二度、三度と開き落ち続けた結果、俺たちは外へと放り出された。
｢ぎゃあああああ！！！！落ちるぅぅぅぅぅぅぅっ！！！死ーーーぬーーーーっ！！！！｣
｢善逸っ、捕まって…っ！｣
地面が近づいた瞬間、両足をしっかり付けて踏ん張ればズザァァァァァッ、と土埃と音を立てて着地した。
…地味に、足やったかもしれない。
｢っ…善逸、大丈夫？君も、怪我とかない？｣
善逸も正一もコクコク、と頷いたのを見て、俺はそっと地面へ下ろした。
｢怪我したの、紫音の方だろ！痛いって音、聞こえてるよ！？｣
｢平気、大したことないから…ノープロブレムだよ。｣
｢嘘だ！だって、足…引き摺って……｣
家の前は危ないからと、炭治郎の箱のところまで行こうと歩く俺の傍らに善逸が寄り添って歩いている。
正一からも、未だに聞こえる不安の音。
｢善逸、
右手人差し指を口元で立てて言えば、分かった、と善逸は頷いてくれた。
炭治郎の箱の傍の木に善逸は、俺を座らせた。
｢どこ？どこ、怪我したの？俺に出来ること、ある…？｣
｢サンキュ。ほんと、イージーな怪我だから。｣
｢い、いぃじぃ？え…ど、どういう意味？｣
｢あー…
俺の言葉に困惑する善逸に、苦笑いしながら意味を教える。
｢ほんと？｣
｢ほんとだよ。…ところで、善逸。あの箱の中、なんだと思う。｣
｢あの箱？｣
炭治郎の箱を指し示して、アレ、と付け足す。
｢君の耳は、どんな音が聞こえる？｣
｢どんな…紫音は？紫音の耳には、どう…聞こえてる？｣
｢鬼、だね。十中八九、鬼。どういう関係かは、知らないけど。｣
｢やっぱり、鬼…だよね。｣
鬼を滅殺してこそ鬼殺隊。
鬼殺隊に入ることを決めた時から、何度も師範に言われたこと。
なのに、炭治郎は鬼を連れて歩いている。
これって、
そんなことを考えてると、あの鼓の音が止んだ。
｢あ…気持ち悪い音、止んだ。｣
｢炭治郎だよ、きっと。｣
内心、炭治郎より階級が上の俺が加勢に行かずに悪いな、となんとなく思った。
炭治郎を待っていると、先に出てきたのは猪頭だった。
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作者名：春月是駒 | 作成日時：2023年6月1日 18時
