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SIDE:A


「……ま、この様子なら大丈夫そうやね、絢香さん。な、A。」

そう言って隣にいつの間にか立っていたセンラ。

「ど、うして」

「なにがやねん、どうしてって」

まるで何も無かったかのようにきょとんとしているセンラ。

「絢香さんとこ、行かなくていいの?」

「?行く義理ないやん」

「でも、カッターで怪我してたし」

「?うん、そやね」

そやね、じゃないし、女の子が泣いてたら行きなよ
……そばに居てくれるのは嬉しいけど。

「……私がしたとか、思わないの?」

「Aがやったん?」

「いや、やってないけど」

「な、やってないやん」

な、って、まるで知ってたみたいに言うから、ずるい。
ちょっとは疑ってもいいのに。

「なんで、疑わないの?」

「え、彼女疑うとかおかしいやろ、そもそもA、そんな事するわけないし」

するかもしれないじゃん、私がなにかしたりさ。

こういうとこ、ずるい。

「……そ」

「……え、照れてるん?かわえぇなぁ」

「照れてない」

ニヤニヤすんなこの野郎

「……ま、保健室、行こか、一応。
様子見に行こ、A、心配やろ?」

「……別に。センラが行きたいみたいだから行くよ」

「ふふ、行こか」





保健室と書いてあるプレートが見えた。
……よく考えたら、行っても何か出来るわけじゃないのに行く意味あるのかな

「……ねえセンラ、」

”やっぱやめる?”と言おうとした時、


「っ絢香、ちゃん!!」


保健室から、坂田の声が廊下に響き渡る。
きっと、保健室からだ。

どうしたんだろう、と思い少し駆け足で保健室へ向かう。

「……坂田、どうしたんやろ」

「…とりあえず、入ろう」

保健室の前に着くと、何やら言い争っているような声が聞こえた。

コンコン、とノックして、「入るよー?」と声をかける。

「え、っA!今はっ!」

そこに見えたのは、ベッドで坂田が絢香さんを押し倒している光景。

「さ、坂田くん、腕、痛い」

「っ、お前!」

そこに見えた坂田は、何だかいつもと違って見えて、少し怖かった。

「……坂田、とりあえず体起こしたらどう?」

「ち、違くて、A、ほんまに」

「別にいいんじゃない、恋人だし。
でもここ保健室だし、絢香さん、腕怪我してるから今はやめた方がいいと思うけど」

「……っ、」

坂田がすっとベッドから降りた。
いかにも悔しい、というような表情。

そんなに最後までしたかったのかな、家でやればいいのに。

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柚子(プロフ) - いい感じにすれ違って行ってますね(?)まぁ楽しみということです!頑張って下さい (2020年4月11日 22時) (レス) id: f5a2d726a8 (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - うわぁ…気持ちは分かるけど絢香ちゃん腹黒だぁ…坂田さん、複雑な気持ちだろうな…。更新待ってますね (2020年4月11日 0時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
きほん(プロフ) - はじめまして、とてもキュンキュンしながら読ませていただいています!ドキドキハラハラキュンキュンで、個人的にはどちらのオチも見てみたいですが、どうなるのかとても楽しみです! (2020年4月9日 0時) (レス) id: d19256ebb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ - 年下組が夢主ちゃんのことでバチバチ(?)なっているのがキュンとしました。あと、作者様の書く文がとても好みです!その文才を私にも恵んで下さい…長文失礼しました。 (2020年4月3日 12時) (レス) id: 5d83f022ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゃけ | 作成日時:2020年3月30日 0時

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