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SIDE:A
向かっているのは西側。
西には体育館があったと思う。
「それでね、Aちゃん、あのね？駅前の和菓子屋さんがァ、」
つらつらと週末に行きたいところを月島さんが述べている。
「……ねえ、これどこに向かってるの？」
「あー、着いたよ」
「……え、ここって、」
着いたのは旧校舎。
壊すのにもお金がかかるし、使うとしても古くなってて危なすぎるから、滅多に来ない。
もし来るとしたら、図工室があるから、だろうか。
年に3回ほどある図画工作の授業。夏休み前に図工室を使って作品を作る。
しかし、今は図工室に来るような予定なんてないはずなのに。
「……ねえ、もうすぐホームルーム始まるよ、月島さ―――」
「ここの教室に忘れ物しちゃってさ、一緒に探してくれない？」
すぐ横の教室を指さす月島さん。
月島さんが扉を開けようとするが、硬くて開かないらしく、2人でやっと開く、という感じだった。
「落し物って？」
「筆箱。ピンクのやつ」
＊
「……ねえ、そういえば月島さんがここに来た時って、誰と来たの？」
「1人だよ？」
「……え？でも月島さん1人じゃ扉開けられてなかったけど、」
「……ねえ、Aちゃん！あのね、ずっと聞きたかったことがあるんだけど、
絢香ちゃんイジメてるってほんと？」
「……え」
頭の中で警鐘が鳴る。
嫌な予感がして振り返ると、扉を閉めている月島さんが居た。
「じゃあねっ、Aちゃん！」
小窓の向こう側に走っていく月島さんが見えた。
ドン、と大きな音を立てて閉まった扉は、鍵がかかっていないにも関わらず、ビクともしない。
旧校舎なんか、普段誰も来ない場所だし、もしかしたら出れるの明日とかになるかもなあ。
ま、気長に待とう。
絢香さんをいじめてるって噂が流れたのかな。
色々思い返してみたけれど、心当たることが何も無い。
……坂田にも聞かれたもんなあ。
坂田は絢香さんの味方だからね。そりゃそうだ。
昔もこんなこと、あった気がする。
……そうだ。ちっちゃい頃、怒られて家出して、助けに来てもらったこと、あったっけなぁ。懐かしい。
あの時みたいに、坂田が助けに来てくれたらいいのに。
そんなドラマみたいなこと、あるわけないんだけどね。
「……寒」
旧校舎は木造であるため、すきま風がすごく、そして本校舎の日陰にあるため、季節を問わず年中寒いのだ。
……その時、
「見つけたっ……！」
扉がいきなり開き、現れたのは――――
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柚子(プロフ) - いい感じにすれ違って行ってますね（？)まぁ楽しみということです！頑張って下さい (2020年4月11日 22時) (
レス) id: f5a2d726a8 (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - うわぁ…気持ちは分かるけど絢香ちゃん腹黒だぁ…坂田さん、複雑な気持ちだろうな…。更新待ってますね (2020年4月11日 0時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
きほん(プロフ) - はじめまして、とてもキュンキュンしながら読ませていただいています！ドキドキハラハラキュンキュンで、個人的にはどちらのオチも見てみたいですが、どうなるのかとても楽しみです！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: d19256ebb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ - 年下組が夢主ちゃんのことでバチバチ(？)なっているのがキュンとしました。あと、作者様の書く文がとても好みです！その文才を私にも恵んで下さい…長文失礼しました。 (2020年4月3日 12時) (レス) id: 5d83f022ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃけ | 作成日時：2020年3月30日 0時
